内容説明
日本の都市の中心部分である「まち」の衰退に対して問題意識を持ち、今後も生活の場所として持続させるために何らかの行動が必要だと感じている全ての人に向けた一冊。「まちを」を新しい時代に対応できるカタチにつくり変えるための“教科書”です。高度成長の時代と同じ発想のままでは、「まち」という大切な場所が廃墟になってしまいます。今こそ、昔の発想とは真逆の方法と行動が求められるのです。時間の猶予はありません。現実を正視して、「まち」を守るために今すぐ立ち上がりましょう。
目次
1 お金とお客は「正直」だ まちの姿にはワケがある
2 まちはなぜ大きくなった?統計の「数字」から遡る
3 まちの「仕組み」をまずは頭に入れよう
4 全てがひっくり返った発想を逆転させよう
5 日本の各地で胎動がそれぞれの「守り方」
6 すぐに実行に移そう変革を導くステップ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
19
「まちづくり」に求められるのは適正なマネジメントによって持続可能となる事業活動であり、そのためには特に、まちの中心部に資産を持つ不動産オーナーが「価値」と「対価」の流れ(バリューネットワーク)を時代に即して正当な形にする必要性が説かれている。これは自分の暮らす地域でもまさに該当することで、自分自身もまちづくりへの「関心」から「行動」に踏み出し始めている現在、自分がプレーヤーとしてはどういう役割を果たすべきなのか、についても自ずと答えが浮かび上がってくる。問われるのは覚悟と実践、ということになる。2017/04/01
まなあん
11
経営から考えるまちづくり。商店街が中心の街の活性が主題であろうが、住宅街中心のまちづくりを考える上でも、アイディアが浮かんでくる。人、物、金を誠実に活かさねばまちづくりは成らない。2015/12/15
かずさん
5
地方都市のまちづくりについて。不動産オーナーに着目した、とても実際的な内容でした。大規模投資、大量生産して商品を並べていれば売れる、という成長時代ではない。買い手が売り手を選ぶ、いわば買い手市場の時代。本書で書かれていることは、当たり前の商売の基本のように感じますが、その基本の理解が上手く共有されていない、特に世代間のギャップが障壁になっているケースがあるのかなと感じました。2015/12/20
まさこ
4
シャッター商店街のオーナーさんはそんなに「困ってない」から頭を下げてまでしては貸さず閉めているパターンも多いとのこと。とすれば正論で、信用によってはまちづくりの視点から活用に協力をとりつけられるように思えました。今はストックがあるからこそ小さくリノベで始められる。本書のようにテナントを集められるのも、市民に余裕のあるうちがデッドライン、とも感じました(またこれは余裕分での商売かなとも)。最後にまち会社設立運営の留意などもあり懇切丁寧な本でした。2015/06/09
ぼのまり
4
従来の「まちづくり」は政府、自治体の助成金を前提にするようなところがあったが、著者の提案は民間、ビジネスとしてみるところにある。「場所」が動かないという制約の中で、成果に結びつける秘訣が多く含まれる。まちづくり中の土地を見学などすると、そのプロセスをより理解できるように思う。2013/05/15




