内容説明
日本における核密約を詳細に暴き、アメリカの核政策の最前線をレポート。「核持ち込み密約は外務官僚が管理――歴代四次官が証言」など核密約に関する一連の報道で、2009年度平和・協同ジャーナリスト基金賞(大賞)受賞のジャーナリストが、スクープの全貌を初めて明かし、「核なき世界」への未来を展望する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
8
核密約とは米軍核搭載戦艦の通過・寄港を事前協議の対象外とする日米間の秘密の了解の事。本書により、外務省内に核密約メモの存在、それを歴代外務事務次官が引き継いだ事、核搭載した米軍用機の日本への一次飛来も事前協議の対象外だった事、外務省内で大秘密だった事が暴露されている。更に核密約の継承は、①北米・条約局、②歴代外務事務次官の2トラックで行われていた。因みに密約には、狭義の密約(合意文書が存在)と広義の密約(合意文書はないが、暗黙の合意や了解が存在)がある。核密約は広義の密約とされていたが、狭義の密約だった。2014/04/12
ともひろかただ
1
「核が日本の領海に入る際には米から事前協議される、っていう風に国会では言ってたけど…実は『陸上への持ち込みに限る』って米側とずっと前から密約してました」――という過去の日本政府の嘘を暴いたスクープが、どのようにもたらされたのか、元外務次官の実名など上げながら詳述する。著者(共同通信記者)は「“核”にピントを合わせて日米関係を見る」という立場で調査を続けているらしく、情報は多く文章は簡潔で読みやすい。序盤のインタビュー部は現場の迫力が伝わってくるよう。スキャンダリズムに堕していない、ジャーナリズムを感じた2013/11/15
Yohei Seki
1
核兵器を搭載した米軍の艦船の日本への寄港などは、日米の事前協議の対象にはならない、といういわゆる「核密約」のスクープがいかにして生まれたか、その舞台裏が惜しげもなく披露されている。日本政府側も密約と認識していた、つまり艦船による核持ち込みを黙認する一方で、国民にはそれを伝えていなかった実態が数々の公文書や関係者の証言から浮き彫りになっていく様を追体験できるというその一点に限っても、読む価値の高い1冊だと思う。核と人類の在り方を考えることは、原爆と原発事故を体験した国に生きる日本人共通の責任だろう。2013/05/03
takao
0
ふむ2017/07/15
ja^2
0
そもそも著者の国防・安全保障に対する基本的な考え方がよく分からない。このため、他人が必死になって隠そうとしている恥部を、白日の下に晒すことに快感を覚えているように見えてしまう。▼著者自身の言う米との「核の同盟」を是とするのか否か。それによって、前半の「核スクープ」の価値が異なると思うのである。▼後半の「核の平和利用」についても同様だ。エネルギー政策の根幹に対する態度を明確にしないで、理想ばかりを言っても空虚に思える。▼だが、著者だけは無い。私も含めて我々日本人は、そうした議論を避けてきた嫌いがある。2013/09/01
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