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内容説明
平安時代、暁は逢瀬を楽しんだ男女が別れる時間だった。では暁とは何時だったのか? 時間表現に関する語の意味を明らかにすることで、これまでとは違った解釈で作品を読み解き新たな古典の世界を拓く。
※本文中に〔*〕が付されている箇所には注釈があります。その箇所を選択すると、該当する注釈が表示されます。
※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
3
平安文学初心者なので難しかった…。この時代は午前三時に日付けが変わったということ。それを前提としてこれから文学作品・和歌を読んでいこう。そして、ある程度読み漁ったあとに、もう一度この本を読んでみようと思う。2015/12/23
takao
2
平安時代は日付は午前3時に変わる。この時間は、人々が活動を始める時間であり、男が女の家から帰る時間でもある。お寺の鐘で時間がわかったのだろう。 「明く」とは、午前3時に至ること。「暁」とは、午前3時から午前5時まで。 2019/11/06
Myrmidon
2
なるほどなあ、という。豊富な実例とともに、平安時代の「夜明け」が午前三時だったという説を主張する。自分にはその説の妥当性を検討できるほどの知識は無いが、載せられている実例からは確かに正しいような気がする。それにしても、「夜」みたいな基本的な語彙の意味・用法すら未だに確定していないとは、古典研究は難しい世界だなあ。あ、本書の内容は寄り道なしにひたすら「夜・夜明け・暁」などの時間表現を検討する内容なので、古文に「興味がある」程度の一般読者にはあまりお勧めではない気がする。2018/04/02
たけとり
2
学校で古典を習っていた頃、辞書片手に訳してても暁、有明、夜もすがらの意味がいまいち噛み合わなかったのだけれど、この本の「午前三時が当時の日付変更時点」という説明でなるほどなぁと。これなら色々な和歌や古典の状況が納得いくというか。最初のページにそれらの語句が指す時間が円グラフでまとめられているので、確認しながら読めて便利でした。2015/09/28
shou
2
平安時代の日付変更線は午前3時であり、夜を「明かす」とは3時をまたぐことであり、「暁」が指すのはその後の時刻、つまりまだ闇の世界とする説。となると、薄明かりの中に帰っていく貴公子たちの後ろ姿なんてのは見えなかったわけで・・・真っ暗闇の中で泣き伏す姫君たちの姿なんてのも今ひとつ情感が・・・(笑)2014/04/18