内容説明
親を亡くし、親戚中をたらいまわしにされる不幸な少女、勇希。夏休みの間だけ身を寄せることになったのは、横浜に住む、会ったこともない伯父の家。勇希が恐る恐る訪ねると、意外なことに、その伯父は可愛いカフェのオーナーをつとめていた。 彼は変わり者のようで、同居するにあたって勇希が約束させられたのは、あまりにも奇妙なことだった――。 「魔女の後継者として、真摯に魔法の修行に励むこと」 不思議なカフェを舞台に紡がれるのは、色とりどりの美しいハーブティーをめぐる、心癒やされる物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
菅原孝標女@ナイスありがとうございます
164
ほっこり、ほっこり。なんてあたたかさだろう。ハーブに抱かれて、心地の良い時を過ごした。読み終えるのが惜しいと思ったほどだ。ラストの展開には冷や汗をかいた😅 ぜひ読んでほしい1冊。2018/02/04
た〜
161
ハーブティーのようにほっとする、不思議でない不思議な話でした2013/04/17
ちはや@灯れ松明の火
140
赤、黄色、緑、香り立つスプーン一匙の魔法をかけよう。もう帰れない、何処にも行けない、ちくちく突き刺さる三日月の針。人の心はハーブほど強くないけど、ほんの一滴のあたたかいことばで、青ざめた頬がピンクに染まる。満ち欠けする月と共に回り出す運命の輪。ペパーミント、リンデン、あなたが健やかであるように。遠い思い出が甦る。レモングラス、エルダーフラワー、あなたらしくあるように。目を背けていた痛みと向き合って。ローズマリー、ダンデライオン、あなたが幸せであるように。月明かりの祝福と、カップ一杯の魔法を、あなたへと。 2014/01/13
ひめありす@灯れ松明の火
120
magicalとmedicalは似ているようで少し遠い。傷に直接触れて治すのがお医者さんの役目なら、傷に触れずに癒すのが魔法使いのお仕事です。コモンマロウ、カモミール、ドクダミ。視覚で癒して。ラベンダー、ミント、アーティチョーク。味覚で癒して。ローズマリー、エルダーフラワー、セントジョンズワース。効能で癒して。そしてクミン、ダンデライオン、枇杷のコンポート。記憶で癒して。タイム。未来を下さい。勇気を下さい。勝手に奪われていく時を『待って!』と呼びとめたい。ハーブの力。皆が魔法使いになれる力を、与えてくれる2015/03/28
ううち
110
読みやすくて面白かったです。ハーブな生活が素敵でした。いつもはコーヒーばかりだけど、ハーブティー飲んでみたくなりました。章が月齢になっているのもよかったです。月光浴してみようかな…。2014/05/11