角川文庫<br> 配達されたい私たち

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角川文庫
配達されたい私たち

  • 著者名:一色伸幸
  • 価格 ¥550(本体¥500)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041007884

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内容説明

死ぬことだけ考えて生きている、うつの男。死に場所と決めた廃屋で見つけたのは朽ちる寸前の手紙の束。男は放置された7通を郵便局員に代り配達することにした。すべて届けたら自殺してラクになる、そう決意して……。神経症の時代に贈る愛と希望の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

134
最近、目立つ帯で書店に平積みされているのを見かけ、手にとりました。自らも鬱を患ったコトのある作者さんがうつ病の主人公を果たしてどう綴るのか、興味深々でした。ひょんなコトから7年前に配達されなかった7通の手紙を配達するコトになった主人公「始」は配達先で、色んな人々に出会い、それぞれの場面で生きるコトについて考えさせられます。そんな流れで、僅かながらも少しずつ'自分'を取り戻していくのですが、展開は思わぬ方向へ…。決してお世辞にも明るい話とは言えず、常に'死'を意識している主人公がとてもツラく見えました。2018/11/07

shizuka

57
七年前に捨てられた七通の手紙を偶然見つけ、死ぬ前に配達してみようといたずら心から、自ら閉ざしていた殻を少しずつ破ってなんとなく前進していく鬱病の青年。突然現れ、七年前の手紙を差し出す。困る者、喜ぶ者、怒る者、対応は様々。七年前に手紙を受け取っていたらどうだったんだろう。人生変わっていたのだろうか。少し選択肢が増えるだけで、結局は変わらない着地点に落ち着いてしまう気がする。青年の感情はいつもドライ。それが安易なお涙頂戴になるのを抑制していて、よかった。みんなわがまま。わがままを支え合って生きている。2016/03/17

えみ

40
結局人は、自分でしか自分を救えない。それでも、幸せの種を植えるきっかけや感情の豊かさを知る人生という森への道しるべにはなれると信じたかった。生きることは困難で…、けれど、死ぬことも簡単ではない。苦しみはいつもそばに寄り添い、痛みは見放さない。喜怒哀楽を忘れ、ひとりの世界を彷徨っていた。うつ病の澤野はこの世からの解放を求めて廃墟に足を踏み入れる。死、だけを求めていた澤野、しかし運命の悪戯か、最終試験か、7年前に破棄された郵便物7通を見つける。死へのカウントダウンと決め、手紙の配達を始めた彼が届けたものとは。2025/08/23

mintia

23
7年前に配達されなかった7通の手紙。うつ病の澤野がその配達をするのだが、7年もの間に色々なストーリーがあった。2019/02/13

ユズル

21
最近、地元の郵便局員がこの事件を起こして捕まったのを思い出しました。7年前の手紙。私なら要らないなあ、時は戻せないもの。最後に救いのあるような感じで書かれていた割りには、なんか想像していた終わり方ではなかったのは、筆者自身もうつを経験しているからかなあと思いました。世の中そんなに都合良くいかないぞと…2018/09/21

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