内容説明
わたしたちの「中身」の99%は、
この国のことばでできている!
政治家のコトバはどうして私たちの心に届かないのか。
「あの」国民的詩人のことば、大作家のことばへの考察。
幻聴妄想なことばに惹かれ、こどもなコトバに驚き、寺田寅彦にまぶしさを感じる。
――そう、高橋源一郎はこんなにも「日本語」が好きだったのだ!
わたしは、日本語という、この国のことばたちの中から、わたしが出会った、とびきり
面白く楽しい、それから、不思議な魅力のある連中について書いた。〈「はじめのことば」より〉
おいしいご飯を味わうように、日本語をたのしみつくす天才・高橋源一郎による最新日本語エッセイ。
全身活字中毒作家によるせつなくて、おかしくて、いとおしい 日本語蒐集録
もくじ
はじめのことば
「萌えな」ことば
「官能小説な」ことば
「相田みつをな」ことば
「人工頭脳な」ことば
「VERYな」ことば
「幻聴妄想な」ことば
「罪と罰な」ことば
「漢な」ことば
「洋次郎な」ことば
「棒立ちな」ことば
「ケセンな」ことば
「クロウドな」ことば
「ゼクシィな」ことば
「こどもな」ことば
「オトナな」ことば
おわりのことば
おまけのことば 1
おまけのことば 2
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
momogaga
54
様々な日本語から著者が気になる言葉を選び解説している。印象が残ったのは「ケセンな」ことば。最初は”ケセン”という言葉は馴染みが無い、と思いながら読んでいたら、実は以前目にしたことに気づきました。2004年、教皇ヨハネ・パウロ2世に「ケセン語訳新約聖書・四福音書」を直接献呈して祝福を受けた。というニュースです。ケセンとは東北地方の気仙沼の方言だったんですね。この気仙沼の方言で訳した新約聖書の魅力が紹介してあったので熟読しました。宮城県気仙沼市に訪れる目的が出来ました。感謝(^0^)。2021/02/22
梟をめぐる読書
16
コトバへの嗅覚、とりわけ私たちが普段何気なく目にしていることばの前で立ち止まらせる能力にかけて、高橋源一郎は天才である。「萌えな」ことば、「官能小説な」ことば、「VERYな」ことば…。普通ならそうした「~なことば」という文脈の中で処理し通過されてしまうような表現も、一度ニュートラルな状態で「日本語として」眺めてみれば、あら不思議。確かに相当に変だったり、愛おしかったりすることに気付く。だが無数の日本語に囲まれ、そうした「ヘンさ」への感覚が麻痺したとき、私たちは容易に「政治的な」ことばのウソに絡め取られる。2013/03/23
スノーシェルター
12
すっごく面白かった。まず書き方が面白い。こんなこと言っちゃって大丈夫なの?ってくらい毒舌だけど、的を得ていて納得&爆笑。クロウドはこんな人だったのかと驚かされたけれど尊敬。どのテーマも良かった。漫☆画太郎はドン引きだけどちょっと見たい気もする。コトバって複雑ですごい。恋する原発はガッカリだったけれど、これはオススメ。2013/07/25
キリル
5
普段読んでいて何とも思わないような言葉にも鋭くメスを入れたり、とにかく斬新な視点から文章のコトバについて説明してあり面白かったです。毒舌さあふれる説明で笑いをとっていくなか、「こどものことば」の純粋さはちょっと反則でしょう。純粋さ100%なものがいっぱいで心に響きすぎてつらいです。2015/10/25
keroppi
5
筒井さんの「創作の極意と掟」で取り上げられていたので読んだのだが、実に面白かった。日本のコトバの多様性と深さに引き込まれつつ、高橋さんの感性の鋭さに感動。ここで取り上げられていた本も読みたくなってきた。2014/04/04




