内容説明
ある日突然、父の逮捕を知らされた陽介。父が横領した金を返済するため、陽介は都内の名門中学を退学し、母の姉が運営する札幌の児童養護施設、魴ぼう舎(ほうぼうしゃ)に入ることになる。急激な暮しの変化に当惑しながらも、パワフルなおばさんと個性豊かな仲間に囲まれて、陽介は“生きる”ことの本質を学んでゆく。ときに繊細で、たくましい少年たちの成長を描いた青春小説。第26回坪田譲治文学賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
274
シリーズの第1弾(とは知らずに読んでいました)。『おれのおばさん』と言うタイトルに負けないパワフルな伯母さんでしたが、それにも増してイベントと言うか厄介事が盛りだくさん過ぎてもう大変ですよ。ストレスフルな環境、状況な筈なんだけど主人公の陽介は案外平気そう。でもお母さんも伯母さんも、別環境ながらストレスで続けて緊急搬送、入院することになりましたもんね。それが仲違いしていた間柄の解消になる切っ掛けを作るとは。進路の事や魴鮄舎の今後、伯母さんのこれからとか、父の事など、決着しなくてはいけない事が盛り沢山です。2025/09/25
おしゃべりメガネ
177
前から気になっていたシリーズで、初読み作家さんでしたが、期待を裏切るコトなくガッチリ入り込んで読了でした。中学生の「陽介」は何不自由ない生活を送っていましたが、ある日父親の横領が発覚し、生活は崩壊へ。やむなく親戚の叔母が運営する施設へ入り、新たな生活がスタートしますが、その施設の面々がなかなか個性的です。「恵子」おばさんはなかなかのサムライ母さんっぷりを発揮し、やんちゃな子供たちも逆らえないくらいパワフルです。北海道が主な舞台なので、道民としてはキモチがすっと入り込んで読めます。続編が益々楽しみです!2015/08/25
ゴンゾウ@新潮部
103
陽介の身に起きたことはとても大変なことなのにそれほど悲惨に描かれていない。冷静に事実を受け入れ新たな生活に入る彼に少し違和感を覚えた。反面悲愴感が少ないので読み易かった。 2017/12/24
さおり
103
テーマはヘビーだけど、タッチは爽やかな青春小説て感じ。続編も、読んでみようと思います。初読み作家さんでしたが、写真見たらタカダコーポレーションを思い出してしまい(注・別に似てません)、いいお話なのに読んでる途中ちょくちょくテーマソング(?)が頭の中を占拠する事態に。まぁいいか、それはそれで楽しかったし。2015/08/27
扉のこちら側
102
初読。2014年1162冊め。家庭の事情で叔母の運営するグループホームで暮らすことになる中学生。同級生とのトラブルの会議室での話し合い、吉見の父親がいい人での救われた。高校進学しない子の将来が不安定で可哀想だ。2014/12/21




