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内容説明
平成22年「くまもとサプライズ」キャラクターとして登場したくまモン。
商品売上は1年で293億円、熊本のブランド価値向上への貢献は計り知れない。
ゆるキャラ・くまモンを「売るキャラ」に育て上げたのは、PRもキャラクタービジネスも経験ゼロの、しがない地方公務員集団・チームくまモン。
くまモン失踪事件などの物語戦略、利用料フリーで経済を活性化させる楽市楽座戦略等々、公務員の常識を打ち破る自由な活動を展開し、自治体史上例のない成功を遂げた奇跡のプロジェクトの全貌。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
410
著者欄からして「熊本県庁 チームくまモン」と意表をついている。私はこれまで熊本県庁の公務員がすべてを仕掛けたのかと誤解していたが、プロデューサーに小山薫堂がいて、キャラクターはデザイナーの水野学によるものらしい。したがってチームくまモンは、これをいかにアピールするかが使命であったようだ。発端は九州新幹線の開業前に、途中駅に過ぎない熊本をいかに売り込むかであったらしい。大阪に乗り込むところから始まり、涙ぐましい努力と奮闘の跡が綴られる。文体も公務員が無理をして駄洒落を連発するなど、いかにも素人という感じか。2018/09/21
sas
51
ゆるキャラ界のトップに君臨するくまモンがどうやって生まれたかが書かれた本。頭の固いお役所がよくこんなことができたことに改めて驚いた。1.ターゲットを明確に、2.TPOに合ったメディア戦略、3.SNSの最大限の活用、4.くまモンの爽快な動き、表現の豊かさ、5.くまモンを活用したPR・広報へのトップの理解と支援がポイントだったという。それもそうだが、一番の成功理由はとにかくチームの人達の熊本への愛だろう。熊本の良さを全国の人に知ってもらいたい、好きになってほしいという情熱がなければ絶対に成功はなかっただろう。2014/11/15
みのゆかパパ@ぼちぼち読んでます
50
熊本県の公式ゆるキャラ「くまモン」が、全国的な知名度を誇るまでになった足取りを、プロジェクトに携わった公務員自身の手で紹介した一冊。といっても公務員的なお堅さはほとんどなく、プロジェクトが成功していく過程を、時には悪乗り的な雰囲気も交えつつ、一つの物語として描いているので、とにかく読みやすい。さらには、PR戦術の書としても、実例を踏まえているだけに説得力があり、読んでためになるところも多い。このプロジェクトで莫大な経済効果を生み出した熊本県が、今後、それをどう県民生活の向上につなげていくのかに注目したい。2013/07/09
おいしゃん
44
くまモンが、「熊本をなにがなんでもアピールしたい」という、これだけの強い想いや戦略を込めて発信されていたのかと思うと、胸が熱くなる。2014/04/29
壱萬弐仟縁
41
第一部はエンタメ性のため脚色があるという(14頁)。くまモンの名刺は 覚えてもらうのにはいいツールだろうと思われる(44頁)。宮崎県の場合は東国原英夫という実在の知事で有名になったが、ゆるキャラでも十分その知名度を広げることが可能だと実証された。広告効果は抜群だったのだろう。6億4千万円の広告費用という(121頁)。レアものとなると、非売品のハンドタオル(67頁)。持っているだけで自慢できるのなら、誰もが貰いたいと思うだろう。 2014/08/23