小学館文庫<br> 斬ばらりん

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小学館文庫
斬ばらりん

  • ISBN:9784094088021

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内容説明

鉄炮担ぎ妻子を連れ活躍の幕末ヒーロー登場!

主人公は薩摩藩の合伝流鉄炮師範であり、十五匁筒の使い手としてその名を知られた斬(しばし)善次郎、三十歳。先代の英明藩主・島津斉彬から重用されていたが、斉彬の突然の死で藩の実権を握った島津久光に疎んじられ、ある秘密を守るため、突如、妻子を連れて脱藩する。その秘密を知るのは謎の死を遂げた斉彬といまは奄美大島に蟄居させられている西郷隆盛のみ。善次郎は薩摩藩からの討手を逃れながら、熊本から長崎へと流れていく。善次郎の表向きの脱藩の理由は処遇への不満。洋式鉄砲の採用により、旧弊な火縄銃は片隅に押しやられ、善次郎は藩の要職から追いやられていた。討手から逃れる先々でその百発百中の火筒の腕前を発揮する善次郎の周囲に、幕末を彩る人物たちが踊る。動乱の時代を舞台に繰り広げられる幕末エンタテインメント小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

木賊

6
薩摩藩の運命を左右する秘密を守るため、妻子を連れて脱藩した男の逃亡活劇。その『秘密』が最初から当然のように存在して、そのために殺されそうになる割りに説明無しで話が進むので、若干戸惑いながら読む感じに。でも本作の主眼は戦闘シーンや親子の掛け合いの面白さなどのエンタテイメント性の方にあるのだろう。萌と爽が良い味出してる。個人的にはもう少し登場人物に深みが欲しいところだけど、これは好みの問題かな。2015/09/28

やよひ

4
大切な家族・萌(もえ)と爽(あきら)の日々の暮らしを守ることだけが望みという斬善次郎安綱(しばしぜんじろうやすつな)。藩の重大な秘密を抱えているために討伐隊まで組まれて追われる身になってしまうけれど、善次郎は剣術も炮術の腕も一流で頭もよくて、追っ手や囲いをどんどん突破して行きます。とにかく強いです。戦闘場面はドキドキハラハラ、家族の会話はほのぼのという温度差がいいです。この家族が安住できる日がくるといいのに。(ただ、わたしには藩の秘密とやらが全然わかりませんでした。)2013/05/20

Natsuhiko Shimanouchi

2
原案・矢作俊彦 脚本・監督・川島透で映画化を企画してた幕末時代劇を、川島監督と司城コンビで小説化。桜田門外の変に始まる維新への時代の中、主君から授かった秘密を胸に、薩摩、肥後、肥前、長崎、阿蘇と九州を舞台とする痛快時代活劇。いや、面白かった。ほぼ1日で一気読み。続編が早く読みたい。2013/03/09

gachi_folk

1
映画監督ならではのコマ割りが随所に見られ工夫されている。読みやすくはあるが、内容が少々軽い気がする。2013/10/24

Takuya Suzuki

1
久しぶりの時代小説、藩の秘密を握っている男が藩の為、家族の為、藩を抜け追っ手に追われながら旅をする物語という自分好みの熱いあらすじ。そして時代小説にはそぐわない横文字など現代的な表現も随所に見られ時代小説に縁の無い人にも気軽に読める。 少し気になったのは序盤から散々勿体つけていた刀を抜かない理由が思いのほか大したことなかったことか。 藩の謎をはじめその他数々の伏線の回収…。続きあるよね?2013/04/17

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