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内容説明
いま、中国には1980年~90年代生まれの「第二代農民工」(新生代農民工、新世代農民工)と呼ばれる若者たちがいる。親が出稼ぎ農民として都市部に来た世代で、子供である彼らは都市に住みながら「農村戸籍」のため、差別と不遇をかこっている。その数、なんと約1億人。彼らの不満や鬱屈があるとき反日デモやストライキに至ることは、2012年の反日暴動で証明された。中国ビジネスを行なう日本企業にとって、また体制崩壊の不安におびえる中国共産党にとって、いま「第二代農民工」とどう付き合うかは最大の問題である。著者はこれまで調査されなかった「第二代農民工」の現地ルポを敢行。工場で働く若い男女の「日系企業に対する愛と憎しみ」や「将来の夢」、「なぜ日系企業ではストライキが多いのか」を赤裸々に伝える。「絶望工場」とまで称される中国の生産現場では、どのような人生が繰り広げられているのか。その目でぜひ確かめていただきたい。
目次
第1章 山東省の日本出稼ぎ村
第2章 ストライキはなぜ起きるか
第3章 フォックスコンの光と影
第4章 第二代農民工が抱える潜在的リスク
第5章 意識の高い農民工の登場
第6章 新しい農民工と日中関係
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kubottar
14
昔だったらノートPCが20万円以上していたのに、現在5万円あればWindowsも入って、ついでにお釣りも貰える。それは誰が犠牲になっているのかを考えるべきだ。2013/04/30
ヨータン
12
12時間立ちっぱなしの単純労働でもその先に明るい未来が見えるなら、頑張れると思うけど、それが一生続くと思うと自暴自棄になるのは当然だと思います。それに階級がある以上、努力してもチャンスをつかむことは不可能なんだなと思うと暗澹とした気持ちになりました。彼らのどうにもならない思いは日本人や日本に対する抗議デモという形で表すしかないんでしょうね。2013/11/08
ジュースの素
10
中国には農民戸籍と都市戸籍が歴然と分かれている。農民が都市の工場で働く事により、経済が回っているのだ。その農民の二世たち、80~90年代生まれの若者にこの本は焦点を合わせている。日本企業の「親心」とも言える誠実・清潔などの教えは彼らには窮屈でしかない。金よりも自由が欲しいのだ。私達が使っているiPhoneはそうした彼らが低賃金で働くフォックスコン社で生産される。中国も近々 脱する日が来るんだろうなぁ。2017/10/01
ナナ
5
甘やかされて育ち、教育を受けておりプライドが高い。そんな第二代農民工を筆者は対日デモの主流であったとも、その購買欲の高さから大きなマーケットであるとも言っています。そんな彼らを色眼鏡なく見て付き合えるのは日本人である、とも。 私が仕事で付き合う中国人たちは、おそらくこのカテゴリど真ん中なもので、興味深く読みました。いつもながら、筆者福島さんの取材対象に対する姿勢が暖かくてほっとします。 ついでに、ヒット曲をネットにアップしたところたちまち有名になってしまった素人デュオ旭日阳刚の歌う《春天里》も聴いてみまし2013/10/21
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
3
中国における共産主義っていったい何のためだったんだろ。結局は既得権にしがみつく人達が自分たちに有利なシステムを作り上げただけだよね。キレイ事のザル法ばかり。物の安さは人件費の安さ。もう安さだけに価値をおくことはやめないとね。2013/05/14