内容説明
第1回「ありがとう大賞」大賞受賞作品。絵にこめられたメッセージと、大切な人への真摯な気持ちが胸を打つ感動作。高校2年生の安藤小麦(こむぎ)は、母と祖父の3人暮らし。家庭の事情で転校したものの、学校に馴染めず、日々募る孤独感を自分でも持て余し、母との関係もうまくいかなくなり、不登校予備軍になっていた。そんな小麦をあたたかく見守っていた祖父が余命3カ月と宣告される。「この絵を、ある人に届けて欲しい」――病床の祖父から頼まれた小麦は、一度は拒否するが、祖父が元気になるならと、絵を届ける決意をする。信州松本へと旅立った小麦は、そこで出会ったさまざまな人たちとの触れ合いの中で、自分という存在、生きるということに、向き合い始めるようになっていく……。「今、この作品を世に送り出すことに意味がある」と選考員絶賛の作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BlueBerry
38
終末医療の問題についてはかねてから思うところがありました。ただ長く生きるよりも人として生きている期間の長さが問題なのだと思います。感謝の気持ちは大事です。2013/10/24
coco夏ko10角
13
「ありがとう大賞」の大賞受賞作品。どういう話なのか分かってて読み始めたし、どういう話なのか分かってて読み進めていって、それでも結局最後の方は涙をこらえながら読んでしまった。あぁ、おじいちゃん……。小麦も前を向けてよかった。2013/09/25
FK
10
表紙の美しさに引かれ図書館でかりてきました。死を目前にした祖父と不登校の孫の人生がうまく絡み合い、それぞれの人生を光り輝くものにしています。2014/07/27
ららぴぴ
8
序盤からどうも主人公が好きになれず、千砂さんの「淋しいのを人のせいにしてる」でちょっとスッキリ。終盤はおじいちゃんの手紙でちょっと泣いた。家族に感謝して、家族から惜しまれて、そういう最期になれたら幸せな人生なのだと思う。2014/01/09
ちぐ
7
高校生の主人公は、心に鉛玉のような重いものを抱えて学校にも行かない日々。それは家庭の事情からか、それとも自分自身の問題か?ある日、一緒に住んでいる祖父が病気で倒れたことをキッカケに、主人公の気持ちはだんだんと変化していった。第一回「ありがとう大賞」大賞受賞作品。2013/08/20
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