内容説明
東日本大震災をきっかけにAV女優となった女の子たちがいる。彼女たちは震災後、何を感じ、何を求め、AVの世界に足を踏み入れたのか――。震災に翻弄された7人の東北女性の心の内を活写した著者渾身のルポルタージュ。彼女たちにとって3.11とは何だったのだろうか。
目次
1 震災後のこれから―板野奈津21歳 福島県出身
2 津波のバカヤロー!―椎名ひかる21歳 宮城県出身
3 プツリと切れた何か―姫島あかり25歳 宮城県出身
4 やれるうちにやれることを―相葉みさき26歳 宮城県出身
5 ひとりじゃないんだ―小宮遙香20歳 岩手県出身
6 何もかも変ってしまって―川越さや18歳 岩手県出身
7 憧れの世界へ―羽山ゆい22歳 福島県出身
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しーふぉ
20
お客さんと話しをしていて、まだ親戚が仮設にいるという話しを聞き、改めて震災について知りたいと思いました。 被災者とは?家も流されず、家族も無事な人は被災者ではないのか? せっかく避難所に逃げた人もまた家に衣類や薬を取りに行ってしまった人がたくさんいたという現実があったようです。2016/11/23
どんぐり
20
3・11後、なぜ彼女たちはAV女優になったのかとそれを知りたいと思っても、この本にその答えがあるわけではない。そもそも「なぜ?」と問うことは間違っているのかもしれない。彼女たちにとって、たまたまAV女優に辿りついたのがいまであって、生活をする手段として選択したことだ。中村淳彦の『職業としてのAV女優』にもあったけれど、彼女たちにとってAV女優は肉体的にも心理的にもハードルが低い仕事なのかもれない。3・11があってもなくてもAV女優になる人はなるし、たまたま東北で被災したAV女優を追ったら何か出てくるかもと2013/07/21
澤水月
15
震災前から著名な椎名ひかるも含まれているが、全員震災がなければ違う道を歩んでいたという。前文の「娘身売り」の悲惨さは誰も見せないが…被害受けても自分は被災者でないと語り、沿岸を見に行けない女性が多く「生き残ってしまった申し訳なさ」からの自傷行為に思える。処女を撮影で棄てる…あと出演料の余りの安さに愕然。女性の膝で自衛隊やボランティアが泣き性的サービス求めない。突如普通に幽霊の話が出てきたり、決して表に出ない深い震災の傷跡。「Deep Love」が援交への敷居を下げたとは…(他書・震災風俗嬢の紹介コメ追記2013/03/25
garth
13
センセーショナルなテーマだけれど、実質は何もない本で、ただ欝な気分になっただけ。2013/04/12
あび
12
あまり被災と関係ない感じがした。3.11をキッカケにと書いてあるが、別にAV女優をどうしても選択しなければならない状況だったわけではない。無理に美談にした感はある。2017/04/27