新☆ハヤカワ・SF・シリーズ<br> 言語都市

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新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
言語都市

  • 著者名:チャイナ・ミエヴィル【著】/内田昌之【訳】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 早川書房(2013/04発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 600pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784153350083

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内容説明

遙かな未来、人類は辺境の惑星アリエカに居留地〈エンバシータウン〉を建設し、謎めいた先住種族と共存を続けてきた。アリエカ人は、口に相当する二つの器官から同時に発話するという特殊な言語構造を持っている。そのため人類は、彼らと意思疎通できる能力を備えた〈大使〉をクローン生成し外交を行っていた。だが、平穏だったアリエカ社会は、ある日を境に大きな変化に見舞われる。新任大使エズ/ラーが赴任、異端の力を持つエズ/ラーの言葉は、あたかも麻薬のようにアリエカ人の間に浸透し、この辺境惑星を動乱の渦に巻き込んでいった……。現代SFの旗手が描く新世代の異星SF。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

59
当初、唯一無二の分身によっての同時発声の言語やその言語と地球での言葉でのコミュニケーションをどのように取っているのかなどのイメージや状況把握が掴めなくて挫折しそうになりました。しかし、「嘘祭」以降からの嘘による言語の混乱とその発生源に対する麻薬的効果、暴動と崩壊への修繕工作とそれによって深まった混乱で一気にのめり込むことになりました。「はじめに言葉ありき」やサピアとウォームの言語習得などを考えると言葉によって人は自我を形成する。しかし、チャーチルみたいに言葉の内容関係なく、人を支配できるならば自我はあるか2013/08/14

GaGa

37
小説は三次元化できないものがある。その典型的作品で傑作である。コミュニケーションの重要な要素である「言語」が初めて取り入れられたエイリアンが、それによって混乱し、混沌としていくさまは、世界各地で起きていた植民地時代を彷彿させる。独自の言語を持ってしまったことで、独自のアイディンティに苦しめられるというのもなかなか二次元的ながらリアルな構造を構築している。とにかく、正面から防御する間もなく頭をぶん殴られた感じ。こういうのは二次元であれば悪くないどころか快感だ(笑)2013/12/28

すけきよ

30
これは、早くも今年度もベスト候補に間違いないでしょう。ミエヴィルの特徴とも言える、(異形の)都市小説ではあるんだけど、そちらは比較的控えめ。現実しか表現できない(嘘がつけない)言語体系の異星人、というアイデアをどんどん推し進め、現実をロジックに合わせるための直喩という存在、嘘祭、言語麻薬による破滅の危機、さらには言語の進化、とSFならではの異世界を思う存分味あわせてくれる。非常に歯ごたえがあるものの、ここでしか見られない世界、そこでしか展開しない物語は「SFを読んだ~!」という満足感を得ることができる一冊2013/03/04

志ん魚

28
『都市と都市』の設定はスマッシュヒットだったが、本作もまた違った(ある意味さらにニッチな)味わいのぶっ飛び方。よくもまあこんな概念を生み出せるものである。かなりぶっきらぼうでハードボイルドな語り口なので、エンタメとしてはかなり読みにくいと思うが、せっかくのアイデアが嘘くさくならないためには、これくらいのほうがいいのかも。一生懸命説明しすぎるとボロが出そうだし。手放しで絶賛はできないけど、次作にも手を出してしまいそう。この人が繰り出すアイデアには、それこそ麻薬的な魅力がある。2013/04/10

神太郎

19
骨の折れる作品だった…。何度も開けては閉じを繰り返し、非常に大変だった。この本だけはまとまった時間で読み、分からない用語のオンパレードではあるものの投げ出さないということをお勧め?します。絶対にどこかで噛み合うのでそこまでくれば、あとは一気です。その位に難解ですがハマれば面白い。言語を一つ作り上げるための苦心と不屈の精神とそして偶然の力。それが世界を救うカギになるのです。まさか、新言語を作り上げるというストーリーでここまで熱い展開になるとは…。ただ、序盤のとっつきづらさがマイナスに働いているのが勿体ない。2015/03/23

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