内容説明
グーグル、アマゾンが君臨する現代のデジタル世界は、もとをたどれば数学者チューリングの構想した「チューリングマシン」に行きつく。そして理論上の存在だったチューリングマシンを現実の装置として創りあげたのが万能の科学者フォン・ノイマンだ。彼の実現した「プログラム内蔵型」コンピュータが数に関する概念を変え、デジタル宇宙を創生したのだ。しかし、フォン・ノイマンがそれを成し遂げたのは、産業や学問のしきたりにとらわれない、プリンストンの高等研究所という舞台あればこそであった。チューリングは何を考え、フォン・ノイマンはどう立ち回り、アインシュタインやゲーデルを擁した高等研究所はいかにしてその自由性を得るにいたったのか。そして彼らとともにコンピュータ開発を支えた科学者・技術者はいかにして関わりを持つようになり、現代に直結するどんな偉業を成し遂げたのか。高等研究所などに収められた詳細な文献や写真資料、豊富なインタビュー取材をもとに、大戦後の混乱でこれまで必ずしも明らかでなかった歴史事情や、知られざる人々の肖像をちりばめて綴る、決定版コンピュータ「創世記」。
目次
一九五三年
オルデン・ファーム
ヴェブレンのサークル
ノイマン・ヤーノシュ
MANIAC
フルド219
6J6
V40
低気圧の発生
モンテカルロ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
23
1と0。”チューリング”が源泉。物理、生物、数理など多様な世界でIvolve・・・。冷戦の齎した技術革命!競争、戦争・・・の数少ない利点。生かすも殺すも活かし方次第。ノイマン氏のみならず、バリチェリの数値生命体も歴史の1ページをもれなく飾る。(単なるデジタル・フリークではなく)様々な学術観点が多次元で重なり合い醸し出す変革。これが本著の醍醐味。デジタル革命者達の証言と写真が振り返る「創世記」。CS学士時代に読んでみたかった一冊。これも息子に贈呈。2014/08/11
えも
20
コンピュータ黎明期の出来事を丹念に綴った科学史。タイトルこそ「チューリング」で、本人もウィナーもゲーデルも役者はみんな出てくるけど、舞台の大半はプリンストン高等研究所で、主役は天才数学者フォン・ノイマン!■何しろ著者はフリーマン・ダイソンの息子なので、幼少期にあの「天才達の楽園」に住んでたんですね。だから記述がリアルでたまりません。憧れのプリンストンの雰囲気が伝わってきます■そしてフォン・ノイマン!やっぱり天才性の在り方としては、科学者で一番好きだな■一週間かけ、じっくり堪能させていただきました♪2014/03/15
若布酒まちゃひこ/びんた
14
ひとの数がすごい。そのなかでもノイマンの存在感がすごい。2015/03/16
KAZOO
13
物語として読むとかではなく、資料的価値のほうが大きいのかなあという感じです。人名も多く主要な登場人物だけでも10ページにわたる解説があります。さすがに私も読むのに骨が折れました。写真も最初と中間くらいにかなり多く挿入されています。コンピュータの歴史的な資料としての価値は大きい(専門家にとっても)と思いますが、読み物としては一度読んだだけでは私の理解を超えていました。ただある程度のコンピュータの歴史についてはありましたので最後まで読めたと感じています。2013/08/27
naotan
8
表題はチューリングだけど、メインはフォン・ノイマンを中心とした技術者たちのお話。コンピュータは、冷戦時代の核開発競争とともに誕生し、発展してきたんだなあ。17章のSF的な展開にはちょっとゾクゾクした。2013/12/27
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