新潮選書<br> 明治神宮―「伝統」を創った大プロジェクト―

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新潮選書
明治神宮―「伝統」を創った大プロジェクト―

  • 著者名:今泉宜子【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 新潮社(2013/08発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106037238

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内容説明

七〇万m2にも及ぶ鎮守の森、「代々木の社」とも称される明治神宮は鎮座から九十数年を数える。しかしその歴史は、全国で八万社を超える神社の伝統から見ればむしろ新しい。「近代日本を象徴する明治天皇の神社」とはいかにあるべきか――西洋的近代知と伝統のせめぎあいの中、独自の答えを見出そうと悩み迷いぬいた果ての、造営者たちの挑戦。

目次

第1章 運動体としての明治神宮(「明治」の終焉 民間有志の神社請願―渋沢栄一 ほか)
第2章 永遠の杜(「鎮守の森」誕生の力学 森のビジョン―本多静六 ほか)
第3章 都市のモニュメント(山形のエンジニア三傑―伊東忠太・佐野利器・折下吉延 オーソドックスへの要請―「普通」の社殿様式を求めて ほか)
第4章 記憶の場(聖徳記念絵画館という空間編成 画題選定と国史編纂―金子堅太郎 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アメヲトコ

8
近代日本の一大プロジェクトであった明治神宮の造営過程を技術者の群像から追った一冊。著者は明治神宮国際神道文化研究所主任研究員という立場にあり、それもあってか本書のトーンには一貫してプロジェクトX的な「明るい前向きさ」がありますが、人工林としての神宮の杜の形成過程や、絵画館の絵をめぐる史実性と藝術性の相剋などの話は面白く読みました。2019/07/17

メルセ・ひすい

2
敗戦!木造檜造りの見事な明治神宮社殿は、昭和20年4月の米軍の無差別市民攻撃の際!灰燼に帰した。゙神様が燃えてよいというのが 昭和27年の新社殿の復興会議は紛糾した。…鎮守の森は総面積72ha、東京ドームの15分相当。楠 椎の木等の常緑広葉樹林だ。つまり、内苑は関東大平野、土地本来の気候風土に適した樹種を選定している。「代々木の杜」とも称される明治神宮の歴史は、全国で8万社を超える神社の伝統から見ればむしろ新しい。西洋的近代知と伝統のせめぎあいの中、独自の答えを見出そうと苦悩した果ての、造営者たちの挑戦2013/04/15

Yasuko

1
朝井まかてさんの小説『落陽』を読み、明治神宮の永遠の森を造った三人の林学者についてもっと知りたくなりこの本を手に取った。明治神宮造営が、森だけでなく、都市計画、近代史の面からも画期的なプロジェクトだったことがわかる。林学、庭園、工学、都市計画それぞれ専門の日本人が、これからの日本は、神道は、都市はどうあるべきかと模索しながら明治神宮を造り上げていった。激動の明治大正時代に生き、このプロジェクトに関わった日本人の熱い思いを感じた。2022/01/31

ja^2

1
神宮外苑に建つ予定の新国立競技場の是非を問う声が喧しい。女性建築家ザハ・ハディドによる、巨大なライダーヘルメットのようなあれだ。その是非の一考に資するために本書を読んでみた。▼読後の率直な感想を言えば、ここに記された造営時の出来事も、今行われている議論も人のやることは変わらないなぁ、ということになる。▼もちろん造営時には明治天皇への敬意と感謝の気持ちから発意したのだろうが、程なく種々の専門家が主張し合い、そして対立する。新国立競技場の議論も同じだろう。ともに、この機に乗じてという気配が感じられてならない。2015/02/08

disktnk

1
“作られた伝統”である明治神宮についての歴史調査記録。明治神宮は明治天皇を祀っていることはさすが知ってはいたけど、御陵は京都にあること、更地から植林して作ったこと、外苑・内苑に加え表参道・裏参道も含めた造営計画だったことなどなど、恥ずかしいことに何も知らなかった。 2013/06/23

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