―精神科医が読み解く―名作の中の病

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―精神科医が読み解く―名作の中の病

  • 著者名:岩波明【著】
  • 価格 ¥1,144(本体¥1,040)
  • 新潮社(2013/08発売)
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  • ISBN:9784104701056

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内容説明

小説を開くと、そこにはあなたの知らない精神病理の世界が――。サリンジャー、川端康成、夏目漱石、ヘミングウェイに村上春樹、古今東西63の作品を取り上げ、現役臨床医が登場人物を架空診断。最新治療法や、思わず人に話したくなる薀蓄も満載。文学と精神医学の「深い関係」を知れば、読書の楽しみも倍増間違いなし!

目次

1 狂気への誘い(美しい狂気―村上春樹『ノルウェイの森』 自閉症とは何か―リアノー・フライシャー『レインマン』 ほか)
2 文学と狂気の狭間で(非定型精神病―高村薫『マークスの山』 アスペルガー症候群―スティーグ・ラーソン『ミレニアム』 ほか)
3 精神世界への彷徨(酔いどれの騎士―レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』 躁状態―中島らも『水に似た感情』 ほか)
4 虚構の世界の住人たち(犯罪被害と離人症―角田光代『八日目の蝉』 サイコオンコロジー―アレクサンドル・ソルジェニーツィン『ガン病棟』 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

gtn

33
社会人として決して口にしてはならぬ暴言を周りに平気で吐き、同じ失敗を繰り返し、毎度直属の上司に叱られるも、逆恨みし、その上の上司に告げ口する。そんな同僚がいる。本書で紹介する一症例に酷似。同僚への理解の一助となる。2024/03/15

澤水月

28
18年東京新聞で続きの発達障害編をセカオワやエヴァなどで書いているのが面白く、先行作読む…が。5年前のこちらは今の連載よりストレート過ぎ?漱石、芥川など作家本人の病と、ノル森、ロリータなど登場人物の病や性癖が分けきれてない感。坊ちゃんに漱石の鬱反映の被害妄想・幻聴描写あるのは気づかなかったので再読したいが、フロイトらの論が広まって後は作家がその症例を研究し書いてる場合多く思われ不毛感…鬱屈精神科医の春日武彦ならこんな素直に「診断」書かずどう捻るかとも。洗練された発達障害編の書籍化待つ。土井ラブ平挿絵も◎2018/05/16

里季

25
精神科医が、古今東西の文学作品の中の登場人物の言動から、精神医学的にどのような病気が考えられるかを分析した本。ミステリーや、事件を取り扱った小説には少なからず精神的に正常でない人が出てくるものだから、それを一々分析していては、私たち一般人には、お話が面白くなくなる。精神科医には、こういう分析が面白いのかもしれない。という私も今見ているドラマ「名もなき毒」の原田いずみは、「境界性人格障害」ではないかと思っていたら、本書に、やはり、境界性パーソナリティ障害と判断できるとあり、やっぱり、と、思ったものだ。2013/08/19

こも 旧柏バカ一代

22
夏目漱石が鬱病だったとわ・・昔は座敷牢に監禁されてたのか。。何で牢屋がと思ったけど、、そう言う事だったんだ。2020/06/04

のの

20
教科書だといまいちぴんとこない疾患が、文学作品で具体例を挙げてもらうことでちょっとわかった気になりました。時折作者のことなのか、作中の登場人物のことなのかわからなくなる記述がありましたが、読みたい本も増えたしよかったです。東京新聞連載時に切り抜きしておいたのに、本屋で見かけてつい買ってしまった1冊…。2014/09/04

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