内容説明
他の子となにかが違う……医師の診断は「ことばの概念がありません」。重度の自閉症だった。父親である著者は、治療法を追い求め、ついに画期的な方法論に出会う。それは人を動かすための普遍的なルールを駆使することだった。「リカ、ご飯、食べたい」。わが子にことばをもたらした、だれもが役立てられるその方法とは?
目次
学習と罰の関係
アクセル全開
悪魔に取り憑かれた少女
真実の扉
ドラゴンを倒す方法
応用行動分析とばいきんまん
学習の科学
人を動かす3つのルール
行動のマネジメント
模倣の技術
だれも知らないことばの世界
心の扉が開く
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そら ふわりん
14
記者もしていた事がある著者が、重度自閉症の娘と歩んだ数年間の話。著者の生い立ちから話が始まり、娘の話と言いつつ自分の事も同時に振り返り分析している。すぐにちゃんとほめる事や、やって欲しい事は手順を具体的に教える事、仕事の時間を50分休憩10分と区切る事など娘との取り組みを著者が仕事に生かしていたのは、私も参考になった。自閉症の知識は一体今どの位認識されているんだろう。日本でもこの本の様な取り組みが身近に保険内で受けられるようになれば良いなと思いました。2018/03/22
tkokon
10
【感動】同じような年の娘がいる身として、心に刺さりまくる物語だった。自分の娘が人と違うことに感じる不安。周囲の悪気のない無理解よってもたらされる絶望。真実を知りたいような知りたくないような不安。娘が病気と知って娘の将来を不憫に思う気持ち。著者の娘が少しずつ、色や概念や言葉を獲得していく様子が、感動的。ラストは電車の中で読んでいたが、涙腺が緩んで困った。小さい子供の子育て中で、不安や心配や悩みを抱える、すべての親に読んでほしいと感じた。2013/10/10
MOCCO
8
★★★★☆:〜ずっと気になっていた一冊・私の想像とは違う本だったけれど、それはそれで面白かった〜 自分の子供が「何かおかしい」と思っていることと、医者に「障害があります」と宣告されることとの間には、大きな溝がある。著者は、そのときの様子を『幽体離脱』と表現している。ドキュメンタリーのはずが、まるでフィクション小説のような、表現色の濃い本だった。最も印象と違ったのは「リカちゃんに対峙する父(著者)」がメインの本だったこと。リカちゃんの話も出てくるが、あくまでサブ的。それはそれで面白かったけれどね。2014/03/22
ひろ☆
8
気軽な育児本かなと思いながら読むも、何だか様子が違う。ビジネス本? 自閉症の娘を持った父親の体験記でした。まず、自閉症とわかるまでの過程に引き込まれる。応用行動分析の強化・消去は応用が効きそう。読んでよかった。2013/11/27
ふぇるけん
8
すべての親に読んで欲しい1冊。自閉症の娘を持った著者が『自分の娘は他の子供と何か違う・・・』と疑問を抱き、自閉症の真実を知って嘆き、それでも子供と向き合って娘に言葉を与えるまでの体験記。費用面、親の負担、そして周りの人々の偏見、などさまざまな障害が立ちはだかる。それと同時にお金や出世といったいわゆる『成功』に虚しさを感じた著者が、娘のために自らの人生をささげることで、本当の『生きがい』を見出した。応用行動分析の治療はまるで調教のように気が遠くなるような繰り返しと忍耐の連続だ。2013/04/05
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- 電子書籍
- 29歳で図書館長になって