内容説明
尖閣列島問題が発生した際、オバマ政権とその首脳たちは曖昧な態度を示し、「中国が軍事的に日本を攻撃した場合、どう対応するか」という日本側の問いに対しても、「日米安保条約を遵守する」としか答えなかったが、その間にも事態は悪くなり続けた。オバマ政権はもはや、この問題をこれまでのようにうやむやのうちに片づけることはできなくなっている。中国の帝国主義的な侵略という事実は、誰の目にも明らかになっているからだ。しかも「50パーセント政権」として政治力を失ったオバマ政権は、中国に対して厳しい姿勢をとるグループの存在を無視できなくなっている。私が日本で聞かれる質問の多くは「尖閣列島で戦いになった時、アメリカは助けてくれるでしょうか」というものだが、オバマ政権の如何にかかわらず、アメリカ国防総省には尖閣列島を守る緊急計画がすでに存在している。(日高義樹/第二章「アメリカは尖閣列島で戦う」より抜粋)
目次
第1章 オバマ人気の後退で中国寄りの政策が変わる<br/>第2章 アメリカは尖閣列島で戦う<br/>第3章 アメリカ海軍は太平洋から追い出されない<br/>第4章 アメリカは「シェール」で勝つ<br/>第5章 アメリカ経済が復活する<br/>第6章 中国はアメリカの敵対勢力になった
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シュラフ
5
強まるばかりの中国の脅威。平和憲法で縛られた日本は米国との安全保障によって中国に対抗することが必要である。それでは米国は中国をどう見ているのか。もともと歴史的にみれば米国人は中国に親近感をもっている。だが、中国が国内のナショナリズムの高まりにより米軍を太平洋から追い出す軍事戦略を実施しはじめたことで中国は米国の敵対勢力となった。親中派のオバマが支持率を失う中、中国に対する厳しい見方は強まっていく。このような状況下、米国は日本の中国への接近を許さないし、尖閣問題では日本を守るという。 2013/05/25
こぎつね
1
ジャーナリストとして、共和党系の政治家や軍高官に取材して意見を直に伝えてくれるので勉強になる。至って読みやすく2時間ほどで読めた。著者はあまり軍事知識がないようだが、軍高官の意見は筋が通っていて大きく外してはいないだろう。評論家やジャーナリストの想像をきかされるよりためになる。2013/02/17
しんたろう
0
報道で目立つオバマ大統領やその基盤の親中国リベラル派の陰で目立たぬが有力な保守系議会関係者、財界人、ペンタゴン現役・退役高官にじかにインタビューすることにより、現在の米国の国際観が語られている。日高氏が経済に対する理解が低くオバマ・バーナンキのリーマンショック後の金融・財政政策への評価が0のところに画龍点睛を欠くの感。2013/07/06
長南 徹
0
日米同盟に少なからず陰を落とす2つの要因である中国のこととオバマ政権の事が、書いてあります。外交は現実的な視点に立った国益の追求であると私は考えています。現実的な視点ではなく、情緒的な考えで、物事を判断するのは、大局感が必要な外交の場では、国民を不幸にするだけです。堅苦しい事は、抜きにして、外交問題の初心者の方でも面白い本だと思います!!オススメです。2013/06/22
hdo obata
0
やはりアメリカは頼りになる。日本が中華帝国主義に対抗するのは、日米同盟しかない。読み終わってなぜか安心したのであった。2013/05/16