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内容説明
生粋の日本人である著者がパリで出会い、結婚することになった相手。はじめは単なるアメリカ人と思っていたが、その父親はアラブ人風のユダヤ人(イラク出身)、母親は北欧がルーツのモルモン教アメリカ人だった。その息子である夫との間には一男一女。この国籍不明の一家に起こる、さまざまな日常的な葛藤や冒険の物語は、ささやかなようで、そこから大きく時空を飛び越えて、世界史的規模を持って西へ東へ広がっていく――。
目次
1 テルアビブ、2008年
2 パリのアメリカ人、1990年
3 ユタの山奥から、1954年
4 スイスでの暮らし。そして子どもたち
5 国境について、考える
6 「ワールドビレッジ」という国、または無国籍な人々
7 テルアビブ、2010年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ソバージュ
5
kindle。国際結婚をし2児の母となった著者が、彼の親族を通して、また20年間様々な国で暮らした経験より、国籍、民族、宗教、教育等について感じたことが生々しく書されていて誠に興味深い‼2019/04/02
yamaneko*
4
個人としてのアイデンティティ形成に、国家や教育、宗教、家系がどう影響するのか深く考えさせられました。差異はあっても差別ととらえないオープンさを持ってこそ、コスモポリタンといえるのかな。家族の心境をきめ細かく観察して個人の視点から文化まで論じる文章が書けるのは女性ならではと感じました。2013/07/04
ophiuchi
4
多くの日本人がほとんど意識していない、国家、民族、宗教について考えさせられた一冊。自分のユダヤ観は「アンネの日記」「日本人とユダヤ人」あたりから得たものに留まっていたことを痛感しました。2013/04/04
Echo
3
kindle unlimited。めっちゃおもしろいー。ユダヤ系の話をと思って読んでみたけど、系統は違うがうちも少し似たような感じなので、めっちゃ楽しめました。旦那の家に初めて行った時の歓迎されなさ感(^^)、わかるうー。娘は3/4は血としては日本人ですが、そのうちの1/4は沖縄からペルーに渡った日系人の血で、残りの1/8がドイツ系ペルー人、1/8がエジプト系ペルー人。義母は小説にしたら上中下書けるんじゃないかぐらいの壮絶人生。娘に家族の歴史書みたいなものを残してあげたいな。と思わせてくれた一冊でした。2020/03/11
このこねこ@年間500冊の乱読家
3
⭐⭐⭐⭐⭐ 軽い気持ちで読んでみたら、とても良い視座を与えてくれる良書でした。 ・国家とは何か ・故郷とは何か 非常に考えさせられました。 多種多様な意見を知り、フラットな視方をしつつも、独自のアイデンティティを持つことが重要ですね。2019/12/25