内容説明
あす吹く風は、どこからどこへ。黒田官兵衛、ジョアン、細川ガラシャ、織田秀信――伴天連追放令下、「かなわぬ夢」と「かなえてはならない夢」のはざまで生きた人々の思い。『風渡る』に続く葉室麟の「官兵衛」。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mapion
142
信長の如く酷薄で容赦のない天下人になった秀吉。黒田官兵衛(如水)が秀吉を誅殺せんとするところから始まる物語。秀吉のキリシタン禁教政策に抗い、その死後はキリシタンの生きられる地を西国に作るため、禁教するだろう家康の天下となる事を阻止せんと徳川と豊家との天下二分を謀る。そのために鬼謀のひと官兵衛が如何に動いたか。キリシタン大名であることに重きを置いて、作者が独自に作り上げた官兵衛像。他の作家の小説には出て来ない、葉室麟の作品で味わえる官兵衛なのでしょう。時系列では先になる『風渡る』の官兵衛も読みたくなりました2025/05/20
財布にジャック
65
1年以上前に読んだ「風渡る」の続編ですが、もうすぐ始まる大河ドラマ直前に読もうと考えて大切にしまいこんでありましたが、いよいよと思い読了しました。前作同様、キリシタンがメインに描かれていました。官兵衛の生涯だけでなく、ガラシャの生涯が見え隠れしていて、是非ガラシャの本も読んでみたくなりました。もうすぐ大河ドラマがスタートしますが、本当に本当に楽しみで待ちきれません!2013/12/26
Gotoran
54
『風渡る』の続編。近世のキリシタンの歴史を絡めて秀吉が伴天連追放令そ出した以降の黒田官兵衛(如水)の某(企み)を中心に、その追放令に翻弄された人々(日本人修道士ジョアン、キリシタンの象徴としての細川ガラシャとその待女のいと他)の姿が、点としての史実をもとに様々な視点から描き出されていく。軍師官兵衛の某(「大閤謀殺」「某攻関ヶ原」「秘某」)に加えて、日本人修道士不千斎ハビアンが棄教した経緯を描いた「背教者」、ガラシャ夫人の小侍従清原いとの回想録「伽羅奢-いと女覚え書」が興味深かった。ただ、軍師と↓2014/06/12
アイゼナハ@灯れ松明の火
41
切支丹の視点で戦国時代を俯瞰する,『風渡る』の続編にあたる連作短篇5作。秀吉の唐入りから関ヶ原の合戦,官兵衛没後の大阪夏の陣に至るまで,時間軸を連続させつつ,各篇に共通する出来事を視点を変じて描くことで,連作短篇ならではの味わいを深くしている手腕に感嘆。一つだけ時間軸の外れた『伽羅奢』をラストを持ってきたことといい,優れた構成力を感じました。歴史のifという観点でも,官兵衛と細川ガラシャに交流があったかも…とは想像できても『秘謀』までは中々たどりつけるもんじゃない。楽しませていただきました。2013/02/20
じゅん兄
28
「風渡る」の続編であり戦国末期を生きたキリシタンたちの悲哀を描いた連作集。個人的には「風渡る」よりこちらの方が面白かった。あくまでもフィクションなのだろうが、もしこの小説が事実だったらと思うとワクワクする。それぐらい想像力をかきたてる一冊。2013/06/28
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