内容説明
絶望の隣にはきっと希望がある。
史上最弱のヒーロー大人気の「アンパンマン」童謡「手のひらを太陽に」の生みの親が作品誕生の経緯と戦争体験や下積み時代を乗り越えくじけずやってきた元気の理由を語る。
各界一流のプロの半生をインタビューで解き明かす人物ドキュメント、NHKBSプレミアムで放送中の「100年インビュー」。
番組で語られた珠玉の言葉の単行本化、第10弾。
目次
1 前向きに考えよう
2 おしゃれは気力です
3 父に寄せる想い
4 アンパンマンが生まれた背景
5 正義を行う覚悟
6 生きているからかなしい
7 人生は「運・鈍・根」
8 “やなせメルヘン”を貫く
9 復興への思い
10 九十三歳が見つめる希望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
積読亭くま吉(●´(エ)`●)
95
★★★★☆難しく考える必要なんか何処にもなくて、ただ信じる。希望を持つ。明るく仲良く生きる。『たとえ一滴のみずだとしても注いでいく、そういう仕事を自分もしていきたい』2016/02/04
へくとぱすかる
70
亡くなる前年のインタビューから。「生きているからかなしい」とは「ぼくらはみんな生きている」の歌詞だが、まさにそのとおり。うれしさもつらさも、生きているからこそ。しかし悲しさのあとにはうれしさがほしい。幸せなときには幸せの価値がわからないとは、耳に痛い。東日本の震災のあと、仙台でアンパンマンのステージに立つやなせさんの写真が収録されている。このとき少なくとも92歳のはずで、自分で病気だらけと言いつつ、それでも活動していたバイタリティーは驚くしかない。子どもに媚びずに一本通した作品を残した強さだったのかも。2024/02/20
パフちゃん@かのん変更
58
病院のロビーに置いてあった本。あっという間に読めて、なんだか励まされます。「あんぱんまん」小さい子は一度は夢中になりますよね。やなせ先生はとてもチャーミングなおじさんでした。「詩とメルヘン」若い頃よく買っていました。懐かしいです。もっとおしゃれをしようと想いました。2018/07/26
ルピナスさん
57
ご自身が戦争という不条理を経験し、戦後、子供達のために、現在と未来をなるべく楽しく面白く生きることを作品を通じて教え、愛と希望を示してくれた点で、やなせたかし氏とかこさとし氏が私の中では重なります。私も私の子供達もその恩恵をたっぷり受けました。肉体的疲労は寝ればなんとか回復できるけれど、空腹だけは我慢できない。悪い奴をやっつけるヒーローはいるけれど、ひもじい人を助けるヒーローはいない。自分が全く傷つかないままで正義を行うことは難しい。そんな発想から生まれたアンパンマン。テーマソングを自然と口ずさんでいます2021/10/19
さおり
46
泣けちゃうなと思う。NHKBSプレミアムの「100年インタビュー」を本にしたもの。なんだかもう大切なことばっかり書いてある。特に戦争については、ほんの2ページの間に「絶対やっちゃいけない」と何度も繰り返し書いてあります。それを読んでたら、もう胸がいっぱいです。日本を動かしているエライ人たちみんなに読んでほしい。2018/10/04