内容説明
戦後、復興と発展のため日本人は寝食を忘れて働いた。仕事をし、少しはお金持ちになった。家も建てた。車も持てた。出世もした。それはなんのため、誰のためだったのか。多くの人は「自分のため人のため社会のため」と答えるであろう。しかし、人生で大切なことは、「一生懸命」とか「頑張る」ということだったのか。3.11の大震災を経験し、われわれは気がついたはずだ。人生でいちばん大切だったのは、生命であり家族の安全であり仲間との絆だったことを。『荘子』では、天命に逆らわずあるがままに生きることや、自然界のすべてのものはみな平等といった根源的真理をベースに置いているので、現実社会の価値観に慣らされ、疲れた現代人にとっては、夢のような理想の生き方が見えてくる。これこそが『荘子』の最大の魅力なのである。
目次
序章 本当の生き方を得るために
内篇
外篇
雑篇
終章 目指すは良寛の生き方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
百栗豆茶
2
再読。孔子は正攻法、老子は逆説的、そして、荘子は勝手にさせておけと言う。白楽天曰く、「かたつむりの角の上のようなちっぽけな人間社会において、いったい何を争っているのか。人生は火打ち石を打ってチカッと光るような短い時間の中にある。ならば富める者は富めるなりに、貧しい者は貧しいなりに、それぞれの楽しみと喜びがあるではないか。楽しい時には楽しいと笑わない者は、愚か者だよ」と。掴みどころのない荘子をわかりやすく説く、良書だと思います。2023/04/18
SIGERU
2
荘子は、老子とともに道教(タオ)思想を代表する文人。その書「荘子」は、紀元前300年頃に纏められたもので、「胡蝶の夢」が最も人口に膾炙している。しかし、「朝三暮四」「蟷螂の斧」「無用の用」「明鏡止水」「井の中の蛙」「蝸牛角上の争い」。お気に入りだったこれらの故事成語が、すべて荘子由来だった事を今更ながら知り、驚倒させられた。「西欧文化の精髄は、古代ギリシア・ローマ人が全て成し遂げてしまった」と云われるが、東洋文化の精髄は、古代中国や古代メソポタミアがすべて成し遂げてしまったのではないだろうか。2017/09/18
gotomegu
2
NHKの「100分で名著」で荘子について興味がわいたところ、書店で見かけたので読んでみた。荘子は井の中の蛙や明鏡止水など、故事のもとになったこともたくさんあることを知った。現代語訳のあと、訳者のコメントが載っているのだけれど、原発事故とか、そういった最近の事故事件についての意見も入っていたりして、ちょっとそれが煩わしく感じた。あとがき(?)で良寛について書かれていて、なぜ荘子の本でこのまとめなの?と思った。2016/05/31
コウヤ
1
12.11〜142023/12/14
epitaph3
1
著者の荘子ベストアルバム。読みやすい訳に、長めの解説。解説が知識を増やしてくれた。孔子批判のところは論語で有名すぎてか、イマイチ慣れないなあ。だけど、荘子の姿勢は、憧れを抱く。おもしろいなあ。2013/03/06
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