内容説明
「ねえ、私を覗いているのは誰なの?」。森の中の奇妙な洋館で、女は自分を見つめるビデオカメラに気がついた。寝室でも浴室でも執拗に自分を追うカメラの向こうに誰がいるのか? そして館の恐ろしくも美しい秘密とは? すべての真実を知ってしまった時、女はこれまでの人生にはもう戻れないのだと悟る……。鬼才・大石圭の傑作『いつかあなたは森に眠る』を改題し、書き下ろし短編を加えた完全版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのぼん
28
ずいぶん前にこの作品の加筆・修正される前の『いつかあなたは森に眠る』も読んだことがありました。そちらの方と同様、ひとりの女性が主人公となっており、どこか耽美で気怠げで、所々ヒヤリとする恐ろしさが混じりあったような作品に仕上がっていました。官能的な場面もありましたが、そう嫌な気分にならずに読めました。2013/03/03
篠田@書店員復帰を目指し中!
9
『いつかあなたは森に眠る』を改題し、内容を大幅に加筆・修正などの手をくわえたものなので以前、いつかあなたは〜を読んだ方には読むべき作品だと思う。ラストはすっぱりと変更したんだなという感じがした。私的にはいつかあなたは〜のラストシーンの方が大石圭らしさがあって好きだった。けど、こっちは進化した大石圭という感じがして新鮮。あとがきの言葉がすごく心に残った。あとがきまで全て読むのは大石圭だけなので今回も作品とあとがきまで楽しく読めた。2013/02/24
びかごん
6
大石静さんの作品だと思って読み始めて、ん?と思い確認したら、勘違いでした。 あまりに官能的で途中でやめようと思いましたが、読メのみなさんの感想を読んで、最後まで読もうと頑張りました。解説の内容がすごくてびっくり!2013/04/21
山のトンネル
5
BOで355円。頭には入らないのだけれど、時々ハッとするくらい耽美な文章に出会う。しかし、全体を通してみると、読み通したいと思うストーリーではない。特に死体の肛門に…というシーンはちょっと厳しい。2022/09/17
いっちゃん
5
なかなか手に入らず、やっと読めた。ラストががらりと変わってたけど、作品のもつ雰囲気は変わらず、どちらのラストでも私は好きだった。大石圭の作品は、本によって同じ人が書いたとは思えないくらいがらりと受ける印象がちがう。(逆に、これとこれはよく似てるってのもあるけど)それだけに、どれも全部読まないと気が済まない。今回の解説も興味深かった2013/04/20