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内容説明
出光は、金を儲けようと出立したものではない――出光興産の創業者・出光佐三は、若くして黎明期の石油業に飛び込み、苦闘を重ねて大陸まで拡大した会社資産を、敗戦ですべて喪失。だが「社員は家族である」と語り、一人もクビを切らず、占領下の日本で国際石油メジャーを相手にあらゆる圧力を跳ね除け、独立自尊を貫いた。とくに1953年(昭和28年)の「日章丸事件」では、英国に海峡封鎖されたイランから石油の直接買い付けに成功、世界を驚嘆させた。「尊重すべき人間は、愛の手で育つ」「少数精鋭主義を唱えて、できの悪いものを首切るのは、真の少数精鋭ではなく、利己主義である」「働いて、自分に薄く、その余力をもって人のために尽くせ」など、命をかけて時代と戦った経営者の信念と実践からにじみ出た言葉は、時代を超えて読む者の胸を打つ。解説は、ベストセラー『海賊とよばれた男』で出光佐三をモデルとし、感涙の物語を紡いだ百田尚樹氏。
目次
序 出光イズム―出光は、人間尊重の道場である
1章 独立―働いて、自分に薄く、その余力をもって人のために尽くせ
2章 苦闘―「石の上にも三年」を唯一の頼りとして奮闘した
3章 進出―出光の歴史は、敵をして味方たらしめる努力と熱意である
4章 養成―資本よりも組織よりも、人間である
5章 危機―良い会社には、銀行は必要なだけ貸す
6章 消滅―活眼を開いて眠っておれ!
7章 再生―人間の力が残っている!
8章 飛躍―再建は成った!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森林・米・畑
10
重みがある名言には、実績や苦労から放たれたもので綺麗事ではないから重みがあると思いました。まさに有言実行の人です!2016/01/25
ue3104
7
出光興産創業者の出光佐三氏の名言が、出光氏が歩んだ人生と合わせて紹介されている。 「社員は家族である」と言い、敗戦直後、どん底に追いやられても誰一人クビにしなかった。簡単ではない。やり切るところがバケモノだ。真似はできないけど、心持ちだけは学びたい。尊敬する経営者の1人。2021/01/16
あまね
7
『海賊とよばれた男』のモデルとなった出光佐三氏の数珠の言葉を交えながら、その生涯を描いた力作。百田氏の『海賊~』が頭に浮かびつつ、あっと言う間に読了しました。出光氏の言葉は、読んでいるだけでもその熱さが伝わってきます。生涯、戦い続け、諦めずに行動し、歯を食いしばって前に進んできた出光氏の言葉の重みは、とても心に響きました。2015/07/24
masayuki hakari
6
不屈。敬天愛人。無私。機を逃さず、粘り強く掴みきる。街で見かける出光にこんな英雄譚があったとは知らなかった。読み物としても、社会的背景まで網羅されていて、よみやすかった。2016/04/12
貧家ピー
6
社員は家族である。人を育てる根本は愛である。黄金の奴隷となるなかれ。学問の奴隷となるなかれ。2014/08/18