内容説明
七年前、年下の男の子に、好きだといわれた。それから、手も握らせないまま恋人のような関係をずっと続けている。そして、私はまた、彼とは別の人を好きになる――〈表題作より〉。 好きな人と好きになりたい人が、どうして違うんだろう(長女)。かっこいいって、卑怯だぁ(次女)。恋は魔物の巣窟です(三女)。神戸の街を舞台に、一緒に暮らす三姉妹の恋の、始まりと、真ん中と、終わり。同じ時間を過ごす三人の恋を、三篇の短編で描く、切なく優しいラブストーリー。恋は、いつだって、私たちの心をつんとさらっていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
81
気になってた作品。神戸に住む三姉妹の恋愛。同時進行で進む三姉妹の物語を、それぞれの視点で三話。だんだん、そうか、あそこはこうだったんだと、ちょっとずつ答え合わせする感じで楽しくなる。それぞれが恋のナイスアシストするんだけど、特に結衣が。それなのに結衣だけはまだ恋が始まるかも?ってところでちょっと残念。ぜひ悩んで前に進んでもらいたいです。姉妹のいない私にはわからないけど、友達とは違う三姉妹、楽しませてもらいました。私は、しっかり漬かったフレンチトーストが好き。2021/05/09
『よ♪』
73
わりと面白いな──。最初はそんな軽い印象。神戸のマンションをシェアする三姉妹の恋物語。恋がひとつずつ。"好きと嫌いのあいだにシャンプーを置く" "恋にクーリングオフがあればいいのに" "嘘つきをシチューにまぜれば” シュールだけど可愛らしい題名につい笑みが漏れる。実は三つとも同じ時系列。最初のお話の後、その次を読むと「ふむふむ。なるほど」と背景が見えてくる。凝ったつくりに「へぇ~」と感心。でもそれだけじゃないんだ。陰で心配したりフォローしたり。優しい気持ちになれてほっこり(﹡´◡‘﹡ )…読んでよかった。2020/04/22
たるき( ´ ▽ ` )ノ
70
おお・・・とても面白かった!3姉妹それぞれの目線で語られる恋物語。姉妹っていいよね。他の何にも変えられない特別な関係。親に言えないことも言えて、お互いを大切に思い合って。自分自身も3姉妹なので、ほっこり幸せを実感しながら読むことができた(*´꒳`*)2020/05/07
マコポン
63
3姉妹の恋愛を3姉妹の視点から書いた作品。シュンくんが両思いになってよかった。3女にも頑張ってもらいたい。2015/08/01
七色一味
63
読破。表紙とタイトル買い。同じ期間を、三姉妹それぞれの視点から描いた、いわゆる「ザッピング形式」の物語です。長女の、次女の、三女のそれぞれが重なって、晩ご飯がシチューの日に繋がってゆきます。互いを補足しあい、ふかめあって紡がれる綺麗な作品。これ、結構オススメかも。長女の性格が、私的には微妙に鼻についたかも(笑)次女の「バランスが悪いほうがどきどきするからじゃないかな」と言う言葉には、はっとさせられた。そうか、恋ってバランスが悪いほうがドキドキするよね、いいこと聞いた( ̄ー ̄).。oO(何かに使えないかな)2014/05/01