日本財政転換の指針

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日本財政転換の指針

  • 著者名:井手英策
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 岩波書店(2013/03発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004314035

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ito

39
破綻や国債暴落といった風潮におびえ、財政を再建することが社会の善か、という問題意識があった。この問いに対して著者は赤字の原因が社会構造にあることを指摘し、ユニバーサリズムという視点を提示し新しい財政のグランドデザインを提言している。報道のような単純なモデルを扱うのを避け、税と社会保障の一体改革を示し、わかりやすさと厳密さを両立した秀逸な新書である。我々は改めて財政の理念から考えるべきだと思う。所得の多寡ではなく、人として平等に扱うユニバーサリズムという財政理念が社会に浸透して欲しい。2013/03/05

おさむ

24
朝日の書評欄で採り上げられていたので、読了。巨額の財政赤字の原因として税収不足に加え、社会的な信頼と、人間の尊厳に対する配慮の欠如を挙げている点が新味でした。公共投資偏重と減税のセットで成功した体験から今も抜け出せない日本。所得の多寡で区別する「救済」ではなく、人間が人間らしく生きるための「基盤の保障」が財政のあり方だと、中間層が思えるかが財政再建のカギですね、取り戻すべきは、安倍首相がいう「美しい日本」ではなく、政府や他者への信頼度、連帯感です。岩波新書では珍しく読みやすい良書でした。2015/08/19

Francis

13
11年ぶりの再読。井手英策さんの本を読んだのはこの本が初めて。本の内容は11年前にまとめたものが以外にもよくできているので付け加えることはない。井手さんにはこの後に出された「幸福の増税論」をきっかけに三度講演会などでお会いし親しくお話する機会を得た。ご自身の人生経験を糧に研究に励み、その成果を実現しようとしている井手さんは心から尊敬しています。とは言え11年経ってもこの本が目指した社会を実現するにはまだまだ高いハードルがあるのも事実。井手さんの期待した旧民主党は今もバラバラ。どうにかならないかな。2024/09/08

おおた

13
やさしくはないけど税金の使い道に疑問を感じたなら読むべき。90年代バブル崩壊から税制再建を目指して消費税などで増税してきたけど、実は減税も多くて、それが今の税収の少なさに繋がっている。財政社会学者という肩書のように、社会のありようと政府財政の関係について語る。助け合わず生活保護者を敵対視する「不信」が蔓延した結果、無駄を排除する方向ばかりになった。相互を信用できないことは低所得層の未婚率につながり、家族で助け合うことも難しい時代になってしまったのかも。2019/06/02

coolflat

7
政府が「財政危機宣言」を出したのは1995年のことだが、なぜ財政がこれほどに深刻な赤字を抱え込んでしまったのかというと、その原因の一端は無駄な財政支出にあると考えられがちだが、むしろ決定的だったのは税収の減収であるとのことだ。理由は1990年代に繰り返された所得税減税、法人税減税にあり、景気対策の観点から所得税の累進性が弱められ、法人税も国際競争力の強化を名目として税率が引き下げられた結果、景気の回復局面では税収が伸びない租税構造となり、所得格差の是正効果も極めて乏しい税制となってしまったとのことだ。2015/01/17

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