内容説明
「オフレコ」や「リーク」を自らの「相場観」を広めるためのツールとして使いこなす官僚たち。そんな役所側の思惑を知らず、オフレコ取材を日常的に繰り返し、リーク情報をありがたがって事実を歪める記者たち。「かつて私は財務省の忠実なポチだった」と告白する筆者だからこそ見破ることができ、そして書くことができる驚くべき「霞が関とメディアの本当の関係」。これを知れば、新聞の読み方、ニュースの見方が劇的に変わる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
AICHAN
33
図書館本。今の日本政府は一所懸命に国民を騙そうとしている。政府のこういう姿勢は今に始まったことではない。この本は東京新聞・中日新聞の論説副主幹の著者が原発事故の際の政府・省庁の対応を追う形で、当時の政府・省庁がどのように国民を騙したかを綴る。著者は記者クラブに入らずオフレコ破りをして記事を書く。そんな著者に省庁はどんな仕返しをしたのか、そういう面白い話もある。欧米のジャーナリストが奇異に思うことのひとつに日本の記者クラブがある。これはまさに談合。日本のジャーナリズムが権力の奴隷になる構造がここにある。2017/06/24
ボルボン
15
興味深い事例がたくさん載っておりまして、ワクワクしながら読み進めました。記者に圧力をかける役人のやり口には「こいつ馬鹿だろ」と声が出ましたし、そいつをやり込める記者にはすかっとしました。こういう正義の記者の方がおられるんですねえ。「放射能発言」や「指揮権発言」の裏側なんてミステリー作品のようで、事実は小説より奇なり、まさしくそのとおりだと頷きました。事実関係を洗っていく過程が単純に面白かったです。そして、やはり省の役人ってのはくだらねえなあと思いました。2016/02/09
サンノート
13
記者クラブの体質が腐っているという話はよく聞くが、その腐った一端を垣間見れる。出る杭は打たれる日本人気質が記者クラブによく現れている。保身のための集まりだ。旧来の日本人社会の縮図といってもいい。長谷川さんはそこから離れるような報道姿勢を取っており、読んだ限りでは非常に信頼の置ける記者の方だと思った。少なくともこの人は保身なんて考えていない。役人に嫌な顔をされようが、おかしいぞと思った事柄にはどんどんと首を突っ込み、それをネットで発信してくれる。次代の報道を先取りするような人になるかもしれない。 2015/12/21
ハマギン
10
御用学者、御用マスゴミをはべらす政府の醜悪さ。何様だというかんじなのだが、官僚様だとやつらは答えるだろう。この腐りきった官僚組織を一度ぶっつぶしてほしいね。そんで再構築してほしい。一度壊さないとずっとこの体質は治らないでしょう。2016/01/14
壱萬参仟縁
10
何と言っても、財政難だから消費税アップ、とか、直ちに健康に影響はない、とか、いう、なんとも東大話法的なものへの懐疑が深まる本。「本当に起きていること」を知らされない国民の怒り(55頁~)であっては、国民主権が泣く。官僚の既得権益>国民の利益 というのでは・・・。税金を納めたくなくなる。ガソリン税は特に。102頁には当たり前のことが書いてある。間違っていることをそのまま間違っていると言える議員を当選させる。昨日立ち読みした石井貴士先生の誰もが国会議員になれる、という本のように、いつか議員になる日も来るのか。2013/04/13
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