内容説明
大口の新規取引にわたりをつけ、斡旋料を受け取る帳合屋。現代でいうブローカーだが、ただの商いではすまされない危険とも背中合わせだ。元能役者で端整な容貌、剣の腕も立ち、目端の利く音次郎は、帳合屋きっての切れ者。相棒の笛彦兵衛、壷振りの小万姐さんらとともに、江戸の大口商いの裏で暗躍する音次郎らを描く連作時代小説である。大御所・徳川家斉が、「我が葬儀には、我が棺と寛永寺を桜草で染めよ」と遺言して逝った。この情報をつかんだ音次郎たちは、通常は売り物にするほど栽培されない桜草を大量入荷して、大儲けを目論む。そのためにはまず、寛永寺出入りの切り花屋の一角に食い込まなければならないが……(表題作「将軍の切り花」)。その他、「大直しの酒」「砂糖の色」の計3篇を収録。いずれも江戸後期の具体的な産物・物品の歴史的な取引状況を踏まえ、読み手を引き込む物語世界が展開する。気鋭の作家による意欲作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M2
1
帳合屋という生業が興味深い。3話目が一番面白かった。大御台さま、姉小路さま、素敵だわ~。メインキャラはいまいち魅力が薄いかな?特に小万はせっかくの紅一点なのに設定盛りすぎのせいかあまり華が感じられない。でも江戸陸がどんどん可愛くなってるから個人的には満足(笑)2014/02/28
いえのぶ
1
商売の都市引きの斡旋を生業とする帳合士を主人公とする。株や商品の流通と利益の出し方など江戸の商売について具体的な数字が出てくる。江戸の町人経済版のスパイ大作戦って感じ。ほかの時代小説にない面白さがある。2013/03/26
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