内容説明
シングルマザーに育てられた奈々は、結婚を翌年に控えた12月、実の父親が軽井沢で働いていると聞き、ひとり訪ねていく。ランタンが灯る教会で聞かされたのは意外な真実だった(「ひかりのひみつ」)。愛犬を亡くし哀しみに暮れる男、ダンナの浮気を疑う妻、義母の介護を献身的に続ける主婦……毎日を懸命に生きながら少しずつ歩みを進める人たち。大切な人との絆を丁寧に描いた、心にじんわりとしみわたる8つの家族の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
169
続けざまに森さん作品です。雰囲気的には「家族」シリーズではなく、『ほのかなひかり』を継承する作風で、今作はちょっぴり切ない感じも場面によってはありました。人生、もちろんいいコトばかりではなく、苦みのあるコト、キツい場面もあるでしょうから、そんな人生のひとコマをさらりとしながらもココロに深く刻まれる描写で綴る森さんはやっぱり素晴らしいです。本作を読んで元気になれるかというと、なんとなくそういう作風ではないのかなと。ふっとココロが軽くなるというよりはスッと歩みをいったん落ち着かせる、そんな効果があるかもです。2017/01/08
あつひめ
91
家族。家族だからってわかるとか家族だから遠慮は要らない…とかじゃないんだね。家族だからこそ…大切にしなければならないのかもしれない…と心を新たにさせてもらった。人にはわからない家庭の事情。誰もが些細な悩みや喜びを持って生きてる。ホンワカしているように見えて…核心をついてる物語が並んでる。森さんは家族という小さな集合体を操るのが上手だなぁ。2014/06/25
紫綺
70
単行本にて読了。家族のいろいろを考えさせられる、心に沁みるシリーズ2。2014/10/19
はつばあば
38
初読みの作家さん。短編でそれぞれの作品がじんわり心に沁みる。毎日の生活にちょっと疲れた時、本の情景が目に浮かんできます。自分と重ね合う部分もあります。そんなときの為にコーヒーとケーキを持って、縁側に寝ころびながら・・・寒くなってきましたから、炬燵でお茶と御饅頭などを用意して、読まれることをお勧めします。2014/10/28
tengen
24
連作ではではありませんが、少しずつネタが繋がっているという遊びがあります。 双葉社の家族短編集シリーズとは別物ですが同じ路線。角川書店での「ほのかなひかり」に続く森浩美 第2集。 ☆ 人のこころに 行き止まりはありません、 その先に......明日に...... 必ずつづきがあります ☆彡 ひかりのひみつ/シッポの娘/迷い桜/小さな傷/Fの壁/押し入れ少年/ダンナの腹具合/お日さまに休息を 2024/09/03