内容説明
幼なじみ・サヨの死の秘密を抱えた17歳の私は、ある女性に夢中だった。白い服に身を包み自転車に乗った彼女は、どこかサヨに似ていた。想いを抑えきれなくなった私は、彼女が過ごす家の床下に夜な夜な潜り込むという悪癖を繰り返すようになったが、ある夜、運命を決定的に変える事件が起こってしまう――。幼い嘘と過ちの連鎖が、それぞれの人生を思いもよらない方向へ駆り立ててゆく。最後の一行が深い余韻を残す、傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
227
道尾秀介さんが描く過去と現在が激しく交錯し虚実が入り乱れる一人の青年を巡る3人の女の人生の物語。「球体の蛇」には現実の蛇は出て来ませんが何度も壊されたスノードームの中でうごめいている印象が鮮烈ですね。暗くて切ないストーリーですが、でも読者を本格的に落ち込ませないのが道尾さんの良さでしょうね。主人公トモとサヨと智子とナオの愛の物語で序盤のトモが床下に忍び込む場面では乱歩の人間椅子を思い出しました。トモはこのままきっぱりとサヨと智子への執着を断ち切れるのでしょうか?智子を追って物語は続きそうな予感がしますね。2019/11/14
takaC
196
最初から最後まで幻想的で何が真実なのかは下より何が現実なのかすらしっかり把握できなかった。友彦くん以外の心の内は結局よくわからないまま読了。2015/05/23
KAZOO
169
私は道尾さんの本をいくつか読んできましたが、印象に残る方の本でした。どちらかというとこんな本も書くのだという感じです。今までは比較的ミステリーのような分野が多かった、まあこれもある意味ではミステリー的な部分はあるのですが、のがほかの作者が書いたのでは、という気がしました、若干暗めですね。最後まで読んだのですが少し苦手な分野でした。2016/02/08
相田うえお
166
★★★☆☆17074 全体的にどんより薄暗くて重苦しい雰囲気が漂っています。濁った空気感もあって読んでいて息苦しさを感じます。縁の下,湿気,闇,蜘蛛の巣,カマドウマ,白蟻,火事...すでに前半から燻んだ負側の言葉が並び、陰性な世界観の中でどうにも遣る瀬無い事になっていくのです。後半で今までの凶事の真相が話され始めるのですが、何が本当だったのか曖昧さが残ったままなのです。人は繊細な感情を持っている時期に不運な出来事に遭遇すると、心が複雑に捻れることもあるかもしれません。誰も救われない話だった様に感じました。2017/08/03
うっちー
137
結局闇の中。心理ゲームのようで、私は好きです2020/04/21
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