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内容説明
競技かるたとは、文化とスポーツが融合した「頭脳スポーツ」「マインド・スポーツ」。
鍛えれば性別や体格、年齢に関係なく、相手に勝つことができる平等な競技として、幅広い層から人気を集めている。
試合で並べられる５０枚の札。
直前に与えられた１５分間ですべてを暗記する。
札が減るごとに全体の位置が変わっていく。
その都度、瞬時に札の位置を記憶しなければならない―勝負は消去と暗記の繰り返しで決まる。
集中力、失敗した時の気持ちの立て直し方、切り替え方は日常生活でも役立つ。
１５歳からクイーンの座を守り続ける勝負脳の極意伝授。
目次
序章 三十一文字の熱き闘い
第１章 古の詩情にひたり記憶力を鍛える
第２章 王朝びとがいざなう深い集中
第３章 雅の世界の苛烈なかけひき
第４章 「しづ心」を求めて
第５章 私の「みをつくし物語」
第６章 「燃ゆる思ひ」をかるたにかけて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミライ
36
最近はマンガ「ちはやふる」の人気もあり知名度も高くなっている「競技かるた」のクイーン楠木早紀さんによる著書。「頭脳スポーツ」「マインドスポーツ」と呼ばれる、競技かるたの世界を通しての精神力の保ち方であったり、試合で50枚の札を15分で位置関係まで記憶する暗記力の秘密を解説する。最近の脳科学・心理学的な暗記のセオリーとは若干異なる方法も紹介されており、非常に興味深かった。ちなみにYoutubeで名人の競技かるたの試合を見てみたが早すぎて驚いた(笑)。2019/04/26
goro＠the_booby
35
「ちはやふる」を知るまで知らなかったです。中学３年生でクイーン位について１０連覇の永世クイーン！記憶力の本というよりクイーンのかるた人生について語られた本です。「もうだめだ」と思ったらコテンパンに負ける競技なだけに、それを跳ね返してきた彼女だからこその強さがうかがえます。小学校の先生になるためクイーンを降りてしまったけど良い先生になって欲しいです。楠木先生との出会いでかるたに目覚める生徒が沢山生まれるでしょうね。楽しそうだな。なにわづに～さくやこのはなふゆごもり～いまははるべと～さくやこのはな～♪2016/03/13
Kikuyo
27
コンマ何秒で札をとる俊敏性が必要な競技かるた。スポーツと同じように闘いなんですね。雅な世界に苛烈なかけひき。中心に焦点を合わせ全体の札の様子をぼんやり見る。「心のなかの暗唱」「頭の中のビジュアル」で覚える。脳フル回転の動体記憶力。すごい。2017/04/20
maito/まいと
14
集中力と一口に言っても長続きするものと短期のものがあると思っていた。ところが、根っこは同じというのが本書のお話し。『ちはやふる』で注目が集まる競技かるた。そのクイーンが語る、かるたの魅力や練習方法、クイーンになるまでの道が記された１冊。科学的見地とか、合理的方法といったものはたくさん広まっているけど、その人に合ったやり方は（非合理だったとしても）存在する。そしてそれは毎日練習し、モチベーションを高め、トライアンドエラーの繰り返しから得たものばかり。我を貫いて結果を出した著者の話は、参考になること多し2020/04/10
テイネハイランド
14
図書館本。競技かるたの現女王の本。競技かるたで上達するにはどういう能力が必要になるかが丁寧に解説されていて興味深い。女王レベルになると、「パネルに再現された五十枚の札のうち、詠まれた札だけが、ランプがついたようにパッと光ります。(中略)試合中、私の中の頭の中のパネルでは、ランプが点滅を繰り返しています。」「深く集中していると、まだ歌は詠まれていないのに、どの札かわかることさえあります。「あ」や「お」から始まる歌だと、読手が息を吸って次の歌を詠もうとする瞬間、空気が丸くなったように感じるのです。」2015/12/04
