内容説明
マックが予想したとおり、その男性の部屋は殺風景だった。もうすぐクリスマスなのに、季節の飾り付けさえない。とてもくつろげない気分で、部屋の主の存在感にただ圧倒されてしまう。彼は建設会社のオーナーで、名前はジョナス。再開発の予定地に立つ、マックの家の立ち退き交渉にやってきたときに知り合った。だが、画家をしているマックにとって、祖父から譲り受けた、アトリエも兼ねる愛着ある家からの引っ越しなど、ありえない話だった。わたしによけいな手だしはしないで、そっとしておいて。そう伝えるつもりで彼の自宅まで押しかけてきたはずなのに、マックは徐々に増していく奇妙な緊張感に、来たことを後悔し始めていた。■デビュー以来、170作以上の作品を書き続け、不動の人気を誇るC・モーティマー。彼女が心をこめて描く、愛を信じないヒーローに訪れたクリスマスの奇跡の物語を、どうぞお楽しみください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
20
祖父の思い出が詰まっている倉庫を住居とアトリエに改装し画家として活躍しているヒロインと、川沿いの倉庫群を買い取り高級アパートメントを売り出したい建築会社オーナーヒーロー。なんというか、さらりとしたお話で山場がない。ヒロインの住居が何度も荒らされた事件の解決も淡々としているし。キャロルさんの傲慢だけれど高潔なヒーローは好きなんですよ、だから物足りない。2019/04/30
akiyuki_1717
2
キャロルさんの話にしては、ちょっと単純すぎる感じでした。終盤の蓋を開けてみればって場面も、言わずもがな分かり切った感じだったし、誰も彼もが正直でなく、衝動的… 同調できる部分がなさすぎて、読み終わっても”はい！終わり”って感じでした。2015/03/12
MOMO
1
最近売り出し中の画家でもある自分の交渉相手の顔さえ知らないジョナス君。いまどきの電脳世界においてこれは少々おかしい気がせんでもないが…。短絡的で少々意地っ張りであっても、アクティブでかわいらしいマックちゃんの言動に振り回され続けるジョナス君を楽しむための物語でした。勝手な妄想から悪質な嫌がらせを続ける人物はすぐに察しがつくので問題ないし。でもラストはちょっとひっかかるわ。＜おじいちゃんの倉庫＞だからこそ意味があるんでしょ？第二案を選ぶような雰囲気で終ってるけどそれって？ 2013/03/01
