内容説明
2011年の3.11以降、多くの日本人は得体の知れぬ不安感に取り付かれてはいないか。85歳の禅僧は、そんな日本人に「明日を生き抜く知恵」を説きあかす。心貧しき人は昨日のために働き、心の座った人は今日のために働く。今この一瞬に自分を出し切る。人生にはリハーサルがなく、タイムリミットは常に今ここにあるからこそ、今を精一杯生きる人は強い。さらに人間の可能性についても、限界はないのだと説く。自分の持っている力を、そのとき、その場で全部出し切っても、それで人はからっぽになることはない。むしろ出し切れば出し切るほど、無限の力、天井知らずの可能性があふれてくる。何よりも自分を信じ、自分を好きになる。背伸びをせず、他人と比較もせず、全力でぶつかる。何ものにもとらわれない心――「大安心」の心を持つことで、その人生が大きく広がる。社会を窮屈に感じ萎縮している人に、大きな可能性を呼び起こす、きっかけ作りの本である。
目次
序章 ビクビク、クヨクヨしてもはじまらない
第1章 ものの見方が変われば生き方は変わる
第2章 目の前のことに没頭すると活路は見出せる
第3章 背すじを伸ばし、息を整え、心を磨く
第4章 過去を振り返るな、未来を思い悩むな
第5章 仕事は生きる道を考え、実践する場
終章 今を生き、大安心で生きる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐々陽太朗(K.Tsubota)
94
来週、大仙院を訪れ宗園和尚の講話を聴かせていただくので、その前に読んでおこうと思った本。「禅」「道」「意気」について説いていらっしゃいます。お目にかかるのが楽しみになりました。山本兼一氏の『利休にたずねよ』(PHP文芸文庫)は前に読んだが、もう一度読んでいこう。2016/03/19
鬼平
8
本日、還暦を迎えて1530日目。今日一日が大事。一瞬一瞬が大事。心がけているのだが、そう簡単にはいかない。日々修行と見たり。2017/03/22
モットヒカリヲ
3
呼吸を整えて、感情をコントロールする「数息観」、黒田如水の「水五則」、洪自誠の「菜根譚」など、終わりまで興味深い内容。2012/12/17