内容説明
海軍ファンに衝撃を与えたドキュメンタリー映画『軍艦武蔵』を作り上げる過程から現在まで、千人以上の旧海軍軍人と面談を重ねてきた著者。その中で、常々思っていたのが、「なぜ、彼らのほとんどが、海軍生活をかくも懐かしむのか?」ということだった。苦しみに満ちた闘いを、辛くも生き残った者たちが、「もう一度海軍の飯を食ってみたい」と思うのはなぜなのか。本書は、海軍に生きた男たちの日常や心情、行動などをとおして、海軍の空気、あるいは肌触りといったものを、描き出した、ユニークな読み物である。現実に体験した者ならではの取って置きの話が、士官、下士官ともに、満載されている。「海軍という場所」の真実を知るのにもってこいの一冊である。
目次
帝国海軍の誕生<br/>海軍とユーモア<br/>兵科士官と機関科士官の差別問題<br/>海軍兵学校への道<br/>海軍兵学校での生活<br/>海軍兵学校の躾教育<br/>兵学校の名物教官<br/>田結保と東郷良一のこと<br/>海兵団教育<br/>海軍兵と制裁<br/>エスプレイとイモ掘り<br/>艦内生活の実際<br/>ハンモックナンバーと戦場での実力<br/>戦争をするために生まれてきた男