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内容説明
財政危機の千葉市の市長に全国史上最年少(※2009年当時)で当選した熊谷俊人市長。 本書では、若き市長が3年間にわたる行政改革と公務員改革のすべてを自ら綴るとともに、「公務員は本当に無能なのか?」「市の職員の給与は高すぎるのか?」など、市民の抱く疑問にも鋭く切り込む。政治・行政・街づくりに興味のある方も必読! 地方から元気になれば、日本に明るい未来は必ずやってくる!!
目次
第1章 公務員は本当に無能なのか?―特殊な世界が生み出す市民とのズレ(そもそも「公務員」とはなんなのか? 公務員批判を拡大させた石肩上がりの終えん ほか)
第2章 市長と公務員の役割―私が決断した市政改革の幕開け(『脱・財政危機宣言』 “ハコモノ行政”の見直し ほか)
第3章 求められる公務員の意識改革―私と職員の向き合い方(公務員の意識の本質的な問題 民間とは違うという甘え ほか)
第4章 市民にも求められる意識改革―自分の街をもっとワクワクする街にしませんか?(燃えるごみを3分の1減らす真の目的 行政は市民のアドバイザー ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hatayan
53
若いからこそ、自分自身の未来のために将来に責任を持てる市政を行える。2009年に当時最年少の31歳で千葉市長となった熊谷俊人氏が公務員の意識改革を訴えます。 繰り返し語られるのは、業務の進め方を改善し工夫することで役所に来られる市民に「時間を返す」ことが究極の行政サービスにつながるという思想。 今後、地方分権が進み権限が委譲されると住民にも当事者としての覚悟が求められていくとも説きます。施設ができることは後年の負担を伴うということを住民とともに考えたい。その先を見据えた行政のあり方を示す一冊です。2020/04/19
ニャンリッチ
19
今の私と同じ歳で政令指定都市の市長になった人物ということで、どんなものかと読んでみた。まず、市長という職の権限の広範さ・絶大さに驚く。市長が変わるだけでこんなにも組織が方向転換するなど、普通の大会社なら滅多にないだろう。つきなみだが、政治家の動向に目を見張ること、投票に行くことの重大さがわかる。そしてその大改革ができた要因の1つとして、氏は、若さゆえのシガラミのなさを挙げる。私も少しずつ中年の域に差し掛かっている。シガラミのない立場でできることはないだろうか。2018/12/04
まる@珈琲読書
10
★★★★★ ■公務員本は批判だらけか理想論、小難しい話が多いがこの本は違う。現役市長が冷静に公務員とはどのようなものか、仕事の性質、あるべき姿勢、具体的な施策まで現実的に書かれている。公務員がよく言う「民間とは違う」という台詞も「甘え」とバッサリ。住民も文句を言うだけではなく政治に参加していかなければ。市長は住民が選んだ社長、議員は社外取締役。公務員は政策を実現するための手足。著者の熊谷市長が2020年1月時点で3期目。自分達の暮らしのためにも多くの人に読んでもらいたい本。2020/01/17
かずさん
8
地方自治体は首長によって大きく変わりますが、千葉市長はポジティブに自治体を改革している人だと思います。自治体組織を筋肉質に変えていく、その考えと実行力がよくわかる本でした。市長ともなれば、行政全般の課題に責任を持たなくてはならないところ、得手不得手を問わず、バランス良く財政改革に取り組んでいるところがとても好感持てます。2015/10/31
閑
8
財政悪化・前市長は汚職でクビという状況で最年少で千葉市長になった著者の公務員観、行政と市民の関係について書いた本。まず自分と余り年齢差のない人が百万人都市の市長、しかも公務員を敵に回さずうまく活用しつつ変革すべきは行動するという柔軟な指導力を発揮しているところが好印象。市民としては過激でワイドショーネタばかり多い市長より、牛歩でも着実に改善していく市長のほうがずっといい。市民は行政の「顧客」ではなく「株主」というのはなるほど民主主義とは本来そういうものだったなと思った。公務員と市民両方に読んでもらいたい。2014/01/12