実業之日本社文庫<br> 演じられた白い夜

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実業之日本社文庫
演じられた白い夜

  • 著者名:近藤史恵
  • 価格 ¥451(本体¥410)
  • 実業之日本社(2014/10発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784408551036

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内容説明

小劇場界の著名女優・麻子は、夫で演出家の匠に呼ばれ、雪深い山荘へやってきた。山荘には匠によって、初対面である八人の俳優らが集められていた。匠の新作は本格推理劇で、演じる側にも犯人がわからないよう稽古は行われていく。台本が進行するにつれ、麻子を含む女優たちに疑心が兆し、それは恐るべき事件の形を取って表れた。作中劇の中に隠された真相は――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

266
新しい芝居を作ろうと雪山合宿に集まった面々。演出家が目指すのは『推理劇』役者達も犯人役が誰なのか、展開がどうなるかを知らないまま稽古を重ねる。クローズドサークル内で芝居を演じる『虚』と、演者仲間が生活を共にする『実』がないまぜに。やがて虚実いずれの舞台でも犠牲者が出て・・・という話。著者は『モップ』『自転車』シリーズなどで私を虜にしていますが本作はいささか・・・。それより著者あとがきが嬉しかった。なるほど近藤先生のそのご経験が後の多くの『近藤史恵信者』を作るきっかけになったのか!虚実の翻弄に溺れる‼️🙇2020/02/11

相田うえお

100
★★★☆☆20101【演じられた白い夜 (近藤 史恵さん)k】山深いところにあるログハウス風の元ペンション(うんうん、ミステリーな雰囲気〜) 雪が降りしきる中(おー!雪〜!クローズドサークルものだな?テンション上がる〜!) 十日間の合宿で演劇での芝居を作り上げるために8人が集まった。(おー!これらの人達が被害者と犯人になるのか〜)滞在中、死者が次々と!(あちゃー!やっぱりね。)悪天候、雪崩で道が塞がれ電話も通じない(わー!定番だけど、ワクワク!) ただ、作品内に舞台台本が入り込む構成は頭が混乱する〜(汗;2020/09/21

りゅう☆

78
演出家匠が雪深い山荘で合宿として男女6人と女優の妻麻子を集めた。匠演出の台本はオフ会で誰かが殺されるという設定。しかも殺される者も犯人も誰か分からないまま演じる。そして作中で1人殺された後、現実でもその役者が死んだ。外部と連絡が取れない、初対面なのに男女関係のもつれがありなど作中と現実が重なる。次に起こる殺人もまた然り。犯人は誰?次に殺されるのは?不安な状況でまさかの人物が殺害。犯人の動機にしても麻子に対してもイマイチ感情移入できず。女性たちのイメージが掴みにくいけど読みやすく一気読みできたのはよかった。2019/07/31

セウテス

63
雪により閉ざされた山荘で、無人の孤島を舞台にした本格ミステリーの演劇稽古が行われ、作中作と同様に一人又一人と殺されて行く、クローズド・サークル。作中作と現実の両方を観ていく為、かなりの集中力が必要とされる。プロットは凝った物だ、技術力のたいへん必要な、高い発想と構成の作品だと思う。作者本来のファンからすると、深い人物描写を敢えて省いている事、推理を楽しむ事自体が目的である事に不満かも知れない。しかし文字を紐解き状況を頭に浮かべ、伏線から先の想像を幾つか楽しむなら、探偵として舞台に立つ慶びが獲られるだろう。2016/10/05

アッシュ姉

52
近藤史恵さん続けて読了。本格推理劇の稽古のために、雪深い山荘に集まった演出家と演者たち。無人島で起こる殺人劇の脚本と並行して、やがて閉ざされた山荘で現実にも殺人が起こり…。犯人は誰か、生き残るのは誰かというクローズドサークルの作中作。人物描写があまり掘り下げて書かれていないなか、本名と役名の両方を覚えなければならず、何度もいったりきたりしたうえに、犯人も動機もいまひとつ。あまり好みでなかったが、近藤さん独特の雰囲気は感じられたし、本作を描いた想いが綴られたあとがきは興味深かった。他の作品も読んでいきたい。2014/07/30

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