内容説明
パン職人を目指して日々精進する綾香に対して、芭子はアルバイトにもなかなか採用されない。そんなある日、ビッグニュースが! 綾香が商店会の福引きで一等「大阪旅行」を当てたのだ。USJ、道頓堀、生の大阪弁、たこ焼き等々初めての土地で解放感に浸っていた彼女たちの前に、なんと綾香の過去を知る男が現れた……。健気な女二人のサスペンスフルな日常を描く人気シリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
517
「あそこ」から帰ってきた芭子・綾香のシリーズ第2弾。前作を読んでいるだけに、二人に対する共感もひとしお。乃南アサさんの作家としての想像力と、そして自身の創造した人物たちであるとはいえ、そこに寄せる限りない慈しみが伝わってくる。「そうすれば、また明日がくる。一日だけでも生き延びた気分になれる」ー塀の中にいると、一日一日は刻むように過ぎていくのだろう。そして、そこから帰還した今もまた。また、終わり近くに芭子が作ったカレーを二人で食べるシーンがあるが、そこもしみじみと実にいい場面である。心の微細な表現が光る。2021/06/23
mapion
391
前科持ち女性ふたりの二作目。芭子は自分が馬鹿なことをしたと理解しているし、綾子は被害者的側面もあり、今はまともに暮らしている二人には幸せに生きてもらいたい。芭子はアルバイト先で新しい仕事を見つけ、綾香はパン職人目指して仕事を続けている。安定したようでひと安心。前巻で停滞気味だった二人の暮らしは変わりつつあるようです。ちょっと変な女性と関わることになるけれど、ふたりが暴力的な被害を受ける事はないのでほっとする。作者は二人を必要以上に苦しめることはないようですが、次作はどうか知りません。2026/04/28
ミカママ
385
ずぅっと読みたいと思ってた続編、やっと手に入った。もうね、何もかも大好き。設定、登場人物、背景、、、。わたしもこんな下町の古民家で、お針仕事しながら、パン焼くのが得意なお友だちと暮らしていきたいもんだ、、、とはいえ、前科(マエ)持ちの彼女たちには、なみなみならぬ苦労もあって。ラストの「コスモス」には、乃南さんの同性ならではのトゲもチクリと感じられて。堀井憲一郎さんの解説もあわせて読むと、さらにグッ❗️2018/03/18
ykmmr (^_^)
179
乃南さんに一目惚れしてしまった作品の、第二編。他の人が経験しない、偽りなしの過去を持ち、それにお互いに絆されて不思議な『関係』を持つハコちゃんと綾さん。『人生経験』が若干上の綾さんが、大人しく不器用なハコちゃんを引っ張っているが、ハコちゃんも自分を出し始めて来ている。夢に向かう綾さんに対し、曖昧な自分に『情け』を感じながらも、綾さんを純粋に信じている。ハコちゃんに対しての親の『審判』や2人が収監中にオープンしたUFJに出かけ、そこで綾さんの『過去』を知るオトコと再会し、プチトラブる場面はあるものの、2022/12/20
pino
175
芭子と綾香に旅行が大当たり。つましい生活をしている二人にとっては嬉しいハプニング。過去に囚われている芭子の心も徐々に解れていく。第二弾では二人の人生も一歩、一歩、前進している。だが、受け取るハプニングは好ましい物だけではないようで。過去と未来が、クルクルと芭子と綾香を翻弄する。様々な出来事の中で知り合う人々に心をかき乱される二人。でも、確実に前進している。強さ、そして、しなやかさまでも手に入れているようだ。お馴染みの警察官や怒りボタンもいい味出してる。二人が紡ぎ上げた日々が形となって、夢が叶いますように。2013/04/11
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