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内容説明
藤原定家はなぜこの百首を選び、この順番に並べたのか。日本を代表する百人一首研究者が、定家の王朝への想い、巧妙な歌の配列と撰歌意識を読み取り、百人一首を新解釈。歴史書としての新側面を描き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅてふぁん
28
著者が‘はじめに’で『百人一首は百人の人生によって織りなされた歴史絵巻なのだ』と書いている。ただ‘歌集’として捉えていたけれど、これは‘歴史書’なのか。この本では詠み手や詠まれた背景の他に、どの歌集に採られており(代表歌でもないのに)なぜ定家がこの歌を撰んだのか等、考察がとても詳しく書かれている。秀歌だから撰ばれたのではなく、詠み手の人生史を象徴する歌として意図的に撰ばれたという解釈が印象的だった。百人一首に関連する本は何冊か読んできたけれど、もっと色んな解説書を読んでみたくなった。2017/02/19
bapaksejahtera
15
著者の「百人一首の正体」の原著作の後に書かれた。本書を読む前に「正体」を読むのが順序。本書の表題は寧ろ「正体」本に相応しい。内容は百人一首及び関連する百人秀歌の4首の個々について解釈及び選定理由や関連歌を説く。時代の変化を感じ取りつつ老境に至った定家が、過ぎ去った王朝の残照を君臣一体の理想の時代を欽募しつつ選定したのが百人一首である。よって選考歌は有名歌人の代表歌でない物でも一流歌人とされない者の作品でも作者の疑わしい歌すら敢て取り込み、勅撰集の再解釈も辞せず、定家の思いのままに選んだ百首という事だろうか2023/05/30
ほうすう
10
いくつか並行して読んでいた百人一首本の一つ。ただ他のものと比べていささか毛色が違う。歌の訳などよりも、なぜその歌が収録されたのか、なぜこの歌人をなど、百人一首の背景の考察に力を入れていた印象。他の百人一首本よりも上級者向けにも感じました。2022/06/05
chisarunn
9
百人一首にはナゾがある、と言う類いの本はたくさん出ている。いわく、あんまり有名で無い歌人も含まれているとか、有名な歌人の、あんまり有名でない歌が採用されているとか。勅撰集(国家事業として天皇の命で作った歌集)ではないので、プロデューサー藤原定家の好みなんじゃないの、と言ってしまえばそれまでだが、なかなかどうして、定家くんは一筋縄ではいかないのよ。自分の好みをバッチリ生かしながら、もっと大きなテーマもこなしちゃってるんだな、これが。そこへ踏み込んだ本書である。2021/06/28
氷柱
7
847作目。4月4日から。百人一首が順番に読み解かれて行く。前提知識がないと少しきついものがある。唐突な部分も多く、「ある程度知っている人」向けの解説書であることがすぐにわかる。しかしその分一歩踏み込んだ場所からより深い場所へと導いてくれるのでついて行ける部分についてはより深みへと到達することができる。もう少しあちこちを見渡してから辿り着くべきであった感がすごかった。序盤なのにゲーム中盤で当たるボスに当たってしまったような感じがした。それでも作者の百人一首愛は存分に伝わって来た。2022/04/07
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