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内容説明
停滞が続く日本。従来の「国土の均衡ある発展」は限界となり、経済成長の“エンジン”として大都市が注目を集めている。特に東京に比べ衰退著しい大阪は、橋下徹の登場、「大阪都構想」により、国政を巻き込んだ変革が行われ脚光を浴びた。大都市は、日本の新たな成長の起爆剤になり得るのか――。本書は、近代以降、国家に抑圧された大都市の軌跡を追いながら、橋下と大阪維新の会が、なぜ強い支持を得たのかを追う。彼らは歴史的“必然”であり、彼らもまた歴史の一齣でしかないと、制度面からその限界を指摘する。第35回サントリー学芸賞受賞作
目次
大都市の成立と三つの対立軸-問題の根源
都市問題と政治―先進地域としての縮図
未完の再編成―拡張の模索
改革の時代―転換期に現れた橋下徹
大都市のゆくえ―ふたつの論理の相克
「大阪」の選択に向けて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
73
かなり専門的な内容で良かった。大阪市の歴史が興味深く読めた。2013/12/01
ふね
9
#23 ★★★ 大阪という都市で繰り広げられてきた政治行政の力学を紐解く一冊。なぜ橋下徹が登場し、維新の会が誕生したか、がわかりやすく語られていた。大阪都構想自体は太田知事の時代から語られていた政策だったが、それを橋下氏がそのカリスマ性を活かして広く府民に働きかけ、大阪という地域の最重要政策と位置づけた。その背景には、自民党の地盤が盤石な農村部が比較的少ない、大阪府という地域の特殊性もあったという(つまり、大都市では自民党が利益誘導しづらい)。府市クロス選で盛り上がる中、未来の大阪に思いを馳せされられた。2019/03/31
takizawa
9
橋下現象を歴史的経緯や制度論に絡めて論じており,重厚な一冊となっている。大阪都構想が2つの相反する論理を内包しているとの指摘が重要。1つは首長のリーダーシップを発揮し,大都市としての利益を集権的に追求する都市官僚制の論理。もう1つは特別区への分権により大都市が一元的に行っていた事業を細分化し,効率化の圧力に晒す納税者の論理。この矛盾を解決する鍵として,「地方議員が個別的な利害から離れて自治体全体の利益を志向し,その内容によって政党を構成するような制度的な仕掛け」(p.215)が必要であることが示される。2013/02/24
Humbaba
8
組織というものは,自然と拡大を求めて行動する.大きくなった結果一層効率的に動ければ良いのだが,残念ながらそのようにうまくいく例は少ない.拡大により発生した無駄を削りたい納税者と,大きな組織を維持したい官僚の2種類の考え方が大阪の行政には存在していた.2013/02/24
Kentaro
6
大阪という大都市圏をめぐって、大阪府と大阪市という二つの自治体が併存することで生じる問題に対して、潜在的な解決策になるとして存在してきた大阪都構想が有権者の支持を受ける橋下氏の出現で脚光を浴びることとなった。 停滞が続く日本で経済成長のエンジンとして大阪都構想は注目を集めた。大都市化することが、日本の成長の起爆剤になるのか、一方で大阪都構想を進めることで顕在化する問題はあるのかを本書では、近代以降、国家に抑圧された大阪の軌跡を追いながら探る。大阪都構想は日本の中で東京以外の大都市を特別するかの選択だった。2018/08/10
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