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内容説明
高校三年生の松苗澄花は父の遺品である双眼鏡で、街を、人をのぞくことが趣味。レンズ越しに見ていた、いとこの暁生と恋仲になるが、なかなかうまく行かない。一方、暁生の双子の姉、千夏は二人のゆくえを見守るかに見えたが……。また子供の頃のように、無邪気に笑いあえる日が来ることを望みながら、三人は大人になってゆく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
吉田あや
73
無邪気な子供時代、恋の始まり、憂いなく愉しい時間はいつだって短い。人はいつの日か消えてしまう幻のような「恋」の感情ひとつで幸せな時間の形を永遠戻らないものへと変えてしまう。その苦みの入り口に立つ3人を通して描く物語はまだ浅い春を思わせ、もう手の届かない痛みが胸いっぱいに広がり、甘く胸を突く。戸惑いの季節が切なくも愛おしく、いつまでも忘れたくない遠い日の場面が読みながら頭の中を駆け巡った。2020/02/14
ぐうぐう
17
奈良を生きるアーティストにとって、大和三山の伝説は、せつない愛の関係を感じさせ、イマジネーションを刺激されるものがあるのだろう。河瀬直美にとって『朱花の月』がそうだったように、ふみふみこにとってそれは『さきくさの咲く頃』として昇華する。ふみふみこはそこに、性差の問題を重ねていく。大和三山の狭間で、永遠に続くと思われていた三人の関係が、四季が過ぎるうち、取り返しのつかないものへと変わる。それでもまた、四季は必ず巡ってくるように、青春を終えた三人に、新しい理解がやってくるはずだ。2013/01/21
林 一歩
11
2014/01/22
白い駄洒落王
9
ちょっと変わった恋愛漫画で、なかなかよろしい。2013/11/19
ムック
9
澄花と千夏と暁生、それぞれが一方通行な想いを抱え過ごす高校時代。変わりたくないけど変わらざるを得ない関係性、大人になっていくってこういう事なんだろうな~。シンプルな絵だけど読ませてくれる素敵な作品、装丁も可愛くてお気に入りです。2012/11/24
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