内容説明
「地震」「水害」「火山」「雷」「大風」……。『記紀』に描かれた数多の自然現象とその災害の実態とは? 「浦」「江」「潟」「岸」「潮」「浜」……。『万葉集』に謳われた風光明媚な景を現在と比較すると? 「古墳」「池」「溝」「津」「水門」、人為は景観をどう変えたのか? 空中写真、地形図、遺構・遺跡、史料を突き合わせ、失われた古代日本を大胆に復原する。(講談社学術文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moonanddai
7
地形が変化するとは、自らが変わるというのと、人間の営みによって変わるというものがあり、本書ではその過程を地理学のみならず、地球物理学、地球化学、層位学といった様々な知見を駆使し「復原」するというものです。時には記紀や万葉集といった文学までも…。「応神陵」が崩れたのは何時か、難波津は砂州とラグーンの並行する湊だったとかが見えてきます。それにしても人間は、相当昔から自然に手を加え続けてきたようです。縄文・弥生の遺跡から、山を崩しての用水路や川をせき止めた貯水池、難波津の長大な堀など、公共事業の連続です…。2020/06/23
Hiroki Nishizumi
6
古地図って面白い。さほど目新しい内容はないが、古地図みるだけでロマンを感じる。2014/01/11
たか
4
地元の狭山池が取り上げられていた。2018/07/11
makkachinn
1
難波など西日本が中心にまとめられている。湾岸部に住む人におすすめ。地形の変化と格闘する人々の様相がいろいろとみられて面白い。2020/07/24
常夏の花
1
4年くらいかけて読了。 専門知識がないため理解に手間取りましたが、非常に面白かったです。 この地形の変化を知らないで古代史の本を読んでいた自分は浅学だったなあと反省することしきり。2020/03/31