内容説明
日本軍によって満州国皇帝の座に就いた溥儀。清朝復活への執念と傀儡としての絶望。皇后、実弟への愛憎、石原莞爾、東条英機らへの月旦などなど。専属通訳として、会見に同席した林出賢次郎が残した「厳秘会見録」を元に、昭和史の闇とされた人造国家・満州国の実態と、皇帝・溥儀の素顔を明らかにする。
目次
「厳秘会見録」との遭遇
満州国の誕生前夜
「日満議定書」調印の舞台裏
小春日和の溥儀執政時代
砂嵐の中の皇帝即位式
訪日で遠のいた「清朝復辟」
「帝室御用掛」吉岡安直
傀儡国家の内実
浮上した世継ぎ問題
帝位継承をめぐる密約
日中戦争に揺れる満州国
一九三八年、「厳秘会見録」の終焉



