内容説明
バブル経済崩壊以降の「失われた20年」に青春時代を過ごし、就職時に氷河期だった30代たちが今何を考え、何を求めているか。そして彼らが生きる世界は今どうなっているのか--本書は、記者たちのそんな疑問と関心から生まれた新聞連載の単行本化である。
30sが置かれた状況と2012年の日本社会の実相を多くの人と共有するために、この連載と本書は生まれた。連載にあわせて解説したツイッターアカウントにも反響が次々と寄せられ、その視点を記事や取材に反映させた。本書にも収めたツイートの数々は、30sの叫びであり、それだけで一つのノンフィクションとなっている。
「今、この社会で30歳として働いてみたいですか。昔と同じ生き方で幸せになれるでしょうか」。本書は、記者たちがあらゆる世代にそう問いかけ、考えようと試みた取材の記録である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
14
努力しても成功できるとは限らない.そして,もしも失敗してしまえば,そこから這い上がるためにはものすごい労力が必要である.それどころか,仮にその労力を支払ったとしても,本当に戻れるという保証もない.非常に厳しい状態では,生きていくのに希望を持つことすら難しくなる.2013/04/15
ありんこ
10
今でも新聞で連載しているんですね。Twitterのいろいろな意見が紹介されているのを一つ一つ読みました。あまり人と比べることなく、自分の選んだ道、心地いいと思えるライフスタイルを自信を持って進んでいくことが大事なんだと思います。子育て、仕事が一番大変な30代ですが、あとで振り返るととても充実していていろんなことを考えた時期です。そこを乗り越えると親や周りの人へ感謝の気持ちでいっぱいになります。頑張ってほしいなぁ~!2013/02/24
ダナヲ
10
根深い。ずっとずっと根深く、しかも四六時中、みんな怖がってるんだね。10年後の破滅を願いながら、五分後の交通事故を恐れない者への処方箋はできず、見つからず、続く毎日に怯えるだけなのね。ということが再認識されるし、なんだかもう読み進めるごとに胸糞悪くなる。私も32。まさしくこのリアル30s、毎日新聞が言うところの失われた20年の最大の被害者で裏切られ続けた世代だけど、できない言い訳をする前に、自分にできることを探さなくちゃ。みんな淀んでたらなーんにもほんとに進まない!2013/01/13
kana
9
同世代。まさに私のことが書かれている。この世代だけではないかもしれないけれど、みんな不安や葛藤の中で生きづらい世の中を生きている。普通の幸せってなんだろう?2014/10/28
pyonko
8
どんな状況にいても職についていても、もやもやする世代なのだろうか。 給料はそんなにいらないけど、かといってやりがいも求めてるわけでもなく。繋がりもそんな求めてなくて。 ちょうどこの世代なので、ピンとくるところもあればそうじゃないところも。変革の過渡期という表現は何となく納得。2016/02/06