内容説明
全国に数多くの支店をもつメガバンク、東協名和銀行。新入社員の有村麻美が配属されたのは、表沙汰にはならない数々の不正を追究する 「コンプライアンス部内部犯罪調査室」。そこには、仕事はできるもののファッションセンスが壊滅的な八代主任や、頼りなさそうな中尾課長など、クセ者ばかりが揃っていた。 前途に不安を覚える有村だが、普通の企業では考えられないような事件が次々と起こり、激務の奔流に呑み込まれていくのだった――。 元銀行員の著者がリアルに炙り出す、銀行内部の驚くべき実情。銀行って……こんなに生臭いものなの……!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
41
《購入》続編が出そうな感じですね。すべてハッピーエンドで終わってほしかったな。2014/07/15
すみの
28
新入社員・有村がいる内部犯罪調査室の課長室メンバー(八代、向井、中尾)や彼らと相性悪しの直属上司・領家、監査部・阿久津と部下・安並らの仕事に対する考え方、性格が十人十色でこんなにキャラがいっぱいでまるでドラマのよう。それぞれの内部犯罪については銀行勤務経験有りの作家さんだからこそ。表沙汰にならない犯罪を追う課長室メンバーだが、支社、支店、本社各部、傘下グループの持株会社・・・それぞれの思惑も出てきて続編が楽しみです。堅いイメージの八代さんですが、あのネクタイの趣味は続編で変わりそうかな(笑)。2015/10/09
にゃむこ@読メ11年生
17
例の「倍返しだ!」と同様の(かどうかは不明だがw)銀行系お仕事小説は、4篇からなる連作形式。メガバンクに入行した新人の麻美が配属されたのは、組織の不正を正す、本社の「コンプライアンス部内部犯罪調査室」。麻美をはじめ、彼女の教育係・八代主任、彼らを目の敵にする監査部・阿久津とキャラ立ちが上手く、チーム、個人それぞれのやり方で各支店の不祥事を解決に導くが、アプローチの仕方も特色が出ている。欲を言えば、主人公が麻美なのか八代なのかどっちつかずのところもあり、そこは麻美を前面に出す等もうひと工夫ほしかった。2014/09/10
瀧ながれ
16
銀行内部を舞台にしたミステリー。特殊な職場ではあるが、働くのはわたしたちとよく似た家庭の事情を抱える人間なので、犯罪を犯す理由も、それを解明するがわの心理も、理解できる展開だった。主人公男性の描写が足りなくて、ただの細かいヒトに見えたのは残念。読んでるうちにチャーミングに見えてきたけど、結局外見はよくわかんなかったな…。2014/12/11
スプリント
13
実写化を念頭においていそうなキャラ設定ですね。 途中からネクタイの柄のネタが空気になったのは残念でしたが、勧善懲悪ではない展開も楽しめました。2017/07/30