内容説明
僕は生きるために、
消すことを決めた。
今日もし突然、
チョコレートが消えたなら
電話が消えたなら
映画が消えたなら
時計が消えたなら
猫が消えたら
そして
僕が消えたなら
世界はどう変化し、人は何を得て、何を失うのか
30歳郵便配達員。余命あとわずか。
陽気な悪魔が僕の周りにあるものと引き換えに1日の命を与える。
僕と猫と陽気な悪魔の摩訶不思議な7日間がはじまった―――
消してみることで、価値が生まれる。
失うことで、大切さが分かる。
感動的、人生哲学エンタテインメント。
プリント版にはない、特別付録「SPECIAL PHOTOBOOK」付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱんにゃー
757
【いろいろ】 皆さんの感想を読んで、色々な感じ方(生き方)があるのだなぁと思いました。 いい物語に出会えて感謝♪ ありがとうございます。 2014/10/25
射手座の天使あきちゃん
650
30歳郵便局員が脳腫瘍で余命わずかと宣告された 彼は1日の生を得るために地球上からひとつずつ何かを消す契約を悪魔と結ぶが・・・ 何となく有りがちな設定に、どこか中途半端な主人公の行動や悪魔の言動(笑) 映像のミラクルクリエイターにも心揺さぶる言葉を操るのは荷が重すぎましたか? <(^_^; 川村元気さんのリベンジに期待です、次回作に幸多からんことを!!(笑)2013/06/16
風眠
531
余命7日の郵便配達員の男、悪魔との契約で寿命を1日延ばす代わりに、この世界から何かをひとつ消す。電話、時計、映画、そして猫。この世のあらゆるものはたぶん、あっても無くても生きるのに支障はない。でも、無くなったらやっぱり困るってものはある。たとえば好きな人とか。本文中でチャップリンの言葉「人生は近くで見ると悲劇だけれど、遠くから見れば喜劇だ。」が印象的に引用されているのがとてもいい。アロハのちゃらい悪魔、ござる口調の猫、死んだ母親が残した「死ぬ前にしたい10のこと」、毒と純粋が入り混じる哲学のような物語。2013/02/21
しゅわ
467
【図書館】本屋大賞候補&派手な広告&この表紙につられ手にとりました。余命わずかと診断された30歳郵便配達員の前に悪魔があらわれ、何かひとつと引き換えに余命を1日づつ伸ばしてくれる…というお話。期待し過ぎたせいかしら?“電話”や“映画”が消えた日常が主人公の納得だけで帰結しちゃってて残念。個人的に似た経験をしているため、レタスちゃんとのお別れとお母さんの手紙は号泣でしたが、もう少し 主人公が“気付く”ところを丁寧に描いて欲しかったなぁ~という印象。自分だったらどうするか?考えさせられます。2013/08/28
ジェンダー
429
確かに人間というのはいろんな物に縛られすぎているのかもしれない。時間や人間関係。携帯もそうかもしれない。気軽にやりとり出来る為にメールがなかなか返ってこないと気にしなければならない。自分が命がなくなるってわかった時にこそ自分にとって大事な物がなんだったのかわかるかもしれない。普段何気無く生活していては大切な物は目に見えない為わからない。本で主人公の母親が言っていた何かを得ようとすると失う物がある。これは事実だと思う。エッセイ見たいな感じでスラスラ読めた。哲学っぽいけど生きるとはどういう事かわかりやすい。2014/12/14