内容説明
橋本治の時評エッセーが、いよいよ復活! 2009年の政権交代から11年の東日本大震災まで、日本の社会を立ち止まらせている現状と、その理由が一目でわかる。リーダー不在の国、歴代総理の決断力、原発事故がもたらしたもの、中国の民主化など、話題満載の書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
23
もともとは、行雲流水録として「一冊の本」2008から2012年に連載されたものです。難病の顕微鏡的多発血管炎に罹り入院して退院した1ヶ月後にあの東日本大震災を経験して珍しく愚痴弱音に近いことも吐き出してます。著者はやっぱり立ち止まって少し考えるべきなんだよ、ほぼそれだけの主張です。その間に考えたあらゆるよしなしごとの記録。2017/03/20
壱萬参仟縁
18
2008年~初出。2年前の本。本を読むということは、読んだ結果をどうするかということとからんでいる(011頁)。理論と実践の接合であろう。本を書くのは一人の人間の頭の中が前提で、壁にぶつかっている頭でなにかを書いてもいい結果にはならない(036頁)。民主党になってわからなくなったと述懐される(078頁)。だからといって安倍暴走、特定秘密保護法で益々見えなくなるのはいただけない。さりとて裏切り民主党にも戻りたくない。そんな感情ではないかと思う。2014/11/29
fonfon
16
とことこと人々の何歩も先を走り続けていた、万年「天然」天才少年のようだった我らが橋本治も、難病になってすっころび、立ち止まってしまった。こんな饒舌いや~と抗いつつも、結局何十年も啓蒙され続けてきた私も、アタマに身体がついてゆけなくなって、唖然と立ちすくむ年頃になってしまった。「自明の理」は自明の理でしょう、ということが共有できない「絶対反対」立場論者とは会話が成り立つはずもなく、それでも、「廃墟にもいつか草は生える」と楽観的になるしかない、と治ちゃんも溜息まじりにつぶやくのである。鶴見さんの孤独に近似。2013/01/01
くさてる
8
橋本治のエッセイ集としては最新なのかな?前半は政治に関する時評がおおめなのだけど、後半は入院とそれにともなう闘病生活から生まれた思索が中心。ちょっと元気が無くて心配になりました。それでも、じっくりと物事を考えて考えて、もう一度考えていく思考をそのまま語っていくような文体は健在で、自分もまた様々なことを考えていきたい、と感じさせられる誠実さに満ちた言葉がたくさん見つかりました。2012/11/21
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
6
立ち止まって考えた結果、「しんどいけど、歩き出すしかありません」。歩けなくなったときは立ち止まって考えればいいのだな。考えたあとは動かないといけないのだな。2013/01/31
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