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内容説明
【新書大賞2013第4位】 日本経団連の調査によると、日本企業の人事担当者が新卒採用にあたってもっとも重視している能力は、「語学力」ではなく、「コミュニケーション能力」です。ところが、その「コミュニケーション能力」とは何を指すのか、満足に答えられる人はきわめて稀であるというのが、実態ではないでしょうか。わかりあう、察しあう社会が中途半端に崩れていきつつある今、「コミュニケーション能力」とは何なのか、その答えを探し求めます。(講談社現代新書)
目次
第1章 コミュニケーション能力とは何か?
第2章 喋らないという表現
第3章 ランダムをプログラミングする
第4章 冗長率を操作する
第5章 「対話」の言葉を作る
第6章 コンテクストの「ずれ」
第7章 コミュニケーションデザインという視点
第8章 協調性から社交性へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
299
この本を読んで救われるという人はきっと多いはずだ。コミュニケーション能力を過度に要求される社会にあって、わかりあえないことを前提として論を進めて、つねに弱者への心配りを忘れない。だからといってこの本がただ甘いわけではなく、どのようにコミュニケーションがあればよいのかを、真剣に、しかし肩の力を抜いて論じている。明快な思考法に、大変でもやっていこうという気持ちを持たせてくれるのがありがたい。2014/03/20
mitei
234
著者の専門の演劇からコミュニケーション、国家論まで発展させて語る切り口が良かった。教育問題はその通りと納得できる内容だった。2013/04/16
こうじ
155
⭐️⭐️⭐️3/5 自分には、う〜んって感じ^_^;コミュニケーションって難しいよね。ネットが広がる前は、先輩に聞いて仕事覚えたりしたけど、今は黙々とネットで調べれば、知識は得られるしなぁ。う〜ん、なんでも、わかりあえないことからだね。無理に合わす事ないがそれなりの社交性が大事なのかも知れない^_^感想書くのも難しい^_^;2016/02/20
KAZOO
150
コミュニケーション論です。最近の若い人にはスマホなどでは話すのですが、人前では苦手で飲み会などにもいかない人が増えているそうです。この本を読むと、平田さんはかなり創作劇を薦めているようです。教えている大学の大学院生などにもやってもらっているようです。確かに劇というのはいいのかもしれませんね。2016/06/30
新地学@児童書病発動中
141
劇作家と大学教授を兼任している作者のコミュニケーション論。卓見が散りばめられた素晴らしい内容で、どんな日本人にとっても大切なことが書かれている。前半で日本の「わかりあう文化」をやんわりと批判して、日本の社会に対話が欠けていることを指摘する。これは的を得た論考で、日本人は異なる価値観を持った人と出会った時に、それを表面上は認めながら、心の底では自分の価値観に固執する人が多い。また自分自身の価値観を持ち、それを自分の言葉で説明するのも苦手だ。これでは他人と出会って(続きます)2018/02/10