内容説明
時は元禄。将軍綱吉が柳沢邸に御成り中、天下の大乱を招きかねない変事が勃発。吉保は秘密を知るもののみなごろしを暗殺集団猿蓑衆に命ずる。伊賀忍者の末裔の流英次郎は天才女医のおそでを護り、おくのほそ道を血に染め、逃亡の旅へ。強大な敵の喉元に迫るは不屈の一寸の虫たち。一方、江戸城奥深くでは、生きる屍のような「影」が「このまま飼い殺しにされてたまるか」と、その時を待っていた……。人の業を問う、傑作時代小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
6
福山で島田荘司との講演会に来ると言うことで、慌てて読んだけど、これまで読んでいなかったのは損していたなぁと言う面白い小説でした。それにしても、最近読む時代小説がこの時代に重なりまくっているのはどうしてなんだろうと思う。それはそれとして、これまで読んでいなかったのを後悔しつつ、今後も森村誠一の本を読んでいく気になりました2013/05/28
ちゅんさん
5
次から次へと仲間が増える、これは時代劇版桃太郎?いや桃太郎は時代物か。そんなことは置いといて、たいへん読みやすく面白い作品でしたとさ。2015/05/09
ケンメイ
5
★5 初森村作品。久々に嵌まった作品!頁をめくる手が止まらなかった。徳川将軍の替え玉を廻る奇想天外なストーリー。軽快なテンポで悪党たちを次々にやっつけていく展開が爽快でした。さすが吉川英治賞ですな。2013/11/03
gushwell
4
森村誠一が描くエンターテイメント時代劇小説。吉川英治文学賞受賞作。主人公の仲間が増えて行くくだりは少しありきたりな筋かなとも思うが、逃亡、剣戟、人情、政治などいろんな要素を絡ませ、読みごたえのある物語でした。続編もあるようなので、機会があれば読もうと思います。ご冥福をお祈りいたします。2023/09/03
BIN
4
ちょうど浅野内匠頭の事件が起きた頃に将軍綱吉が急死したため、影武者が将軍を演じるも、眼光から綱吉ではないと見破った主人公が柳沢吉保の刺客と死闘を演じる話。刺客と主人公の争いはともかく思わぬ形で表舞台、それも最高権力者となった影の生き様がよかった。2022/01/22




