講談社文庫<br> レモンタルト

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講談社文庫
レモンタルト

  • 著者名:長野まゆみ【著】
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • 特価 ¥319(本体¥290)
  • 講談社(2012/11発売)
  • ポイント 2pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062773737

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内容説明

「もう、ずっと前から義兄(あに)のことが好きだった」姉は若くして逝った。弟の私は、姉の夫だった義兄と、遺された一軒家でふたり暮らしをしている。会社では無理難題を持ちかける役員のもとで秘密の業務にあたり、私生活でも奇妙な事件ばかり。日増しに募る義兄への思いと、亡き姉への思慕。もどかしい恋の行方と日常にひそむ不思議を、軽やかに紡ぐ連作集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

160
姉の結婚相手なんて、これ以上ないぐらい不毛な恋愛対象。惹かれる気持ちは分からなくもないけれど、報われることはない予感がどのページからも立ちのぼる一方通行。少し切ない恋の味はレモンタルトのお味🍋 …うん、これは駄目なタイプの長野さんでした( ˙³˙)きっと長野さんとはBL的な意味の好みで相いれることができないと思うのです。(注 BL全般無理てわけではないです。) 義兄ずるいなぁ。主人公不憫過ぎでふらふらし過ぎで肩を揺さぶって「しっかりしろ!」って言いたい( ˙³˙)2020/03/27

コットン

90
秘密の業務にあたる会社員が主人公で珍しく現実的な設定だけれど、そこは長野さん風のアレンジがあって会社内でのあれこれや義兄との関係などをさらっと描いている所がいい2014/06/03

優希

89
面白かったです。主人公が少年から青年に変わったのは長野まゆみさんの世界観が少し大人へと目が向けられたからでしょう。爽やかと言うより少し怪しげなプラトニックな一面が描かれているような気がします。官能的とは少し違うのですが、どこかタイトルとは少し違う空気が流れているような。日常の謎に包まれた不思議さを軽く描き出し、青年ならではの世界が描かれているように思います。2017/07/07

さおり

56
思ってたのと、全然違う。長野まゆみさん初読みです。男が男(死んだ姉の夫)に片思いしてるんだけど、それは主題ではなく、ベースとしてある感じ。その上に、ちょっとした不思議と、妖しさと、暴力と。っていうかさ、こんなにしょっちゅう後ろから襲われたりしてたら怖くて生活できんよね。なんだこれ、と思いながらも読めちゃうのは、登場する男のひとが全員イケメンに違いないから。容姿の描写があるひとが次から次へとイケメン設定なので、書いてないひとももう、多数決でイケメン。そんなこんなで結局楽しく読みました。2021/10/25

masa

48
伴侶がいようと新しく誰かを好きになることを咎めることに何の意味があるんだろう。好きになってしまった後で反省されたって、そんなのもう手遅れなんだよ。かえって虚しいだけだ。同じ譜面を使っても、昔と同じ演奏はもう二度と出来ない。レモンタルトの味がどれだけ邪魔をしたとしても、変わってしまった気持ちは二度と戻ることはない。だから恋や愛なんて糞みたいに陳腐なテーマに古今東西のいい年をした小説家も音楽家も魅了されるんだ。未だ正確にことばにできないんだ。君がいない夜って何してたんだろうな。思い出せないまま夜明け。夜明け。2024/04/13

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