内容説明
新型ドラッグの卸しにより急成長を遂げたマフィア組織で、刈田誠次は武闘派として暗躍していた。しかし、最愛の弟を守るために組織の掟を破ったことから、ボスの神宮寛孝によって、弟と元恋人を惨殺されてしまう。自身も瀕死の重傷を負わされた刈田は復讐を誓い、最も忌み嫌ってきた警察と手を組み、古巣に舞い戻ることを決意する。顔も、声すらも変えて。だが、肝心の神宮は姿を消していた――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
305
『地獄の犬たち』を読んだ時と同じような粗が目についた。というかそっくりな展開。ストーリー上、この頁数では尺が足りないかと思ったら予想通り。もっと広げて欲しい部分がたくさんあるのに、そぎ落とされてしまっている感がある。ただし、これくらいの読みやすさと分量で、手軽に読書の満足感を得たい時もあり、今回はまさにそのタイミングでかなり楽しめた。ここ数ヶ月ずっと時代小説ばかりだったので新鮮味もじゅうぶん。しかしやはり、題材もキャラも好きな方だったので、何巻かに分けてでも、四天王一人ずつ対決していって欲しかった。2020/08/08
散文の詞
143
暴力のはびこる裏社会。裏切りそして復讐。 昔懐かしいヤクザ映画をみているような展開で、ある意味、安心して読めました。 スピーディーな展開をもっさりした会話が殺していて、もったいないと思いったところが有りました。 それと、主役や準主役の名前が気になりました。それが狙いなんでしょうが、平凡すぎて、誰だったかなと思う事も有りました。 まあ、ラストまで一気に読んだという事は、やっぱりそれなりに面白かったという事なんでしょうね。 2021/11/12
utinopoti27
116
本作は、新種のドラッグ利権を巡る組織同士の抗争を背景に、恋人と弟を殺された主人公の孤独な闘いを描く、コテコテのハードボイルド。暴力、裏切り、血で血を洗う抗争、激しい銃撃戦・・。全編がひりつく緊張感と、スピード感あふれる展開で覆いつくされる、深町作品特有の潔さが楽しめます。まあ現実として、たかがドラッグ利権のためにここまでやるか的な疑問はあるにしても、この手のストーリーに細かい突っ込みは無粋というもの。純粋に世界観に浸りきる、こんな作品もたまにはいいよね。2018/08/26
ユザキ部長
82
殺戮欲に支配される。今度は誰の血を求めるのか。お前は火炎そのものだ。絶えず戦闘をしていないと生きられない。内なる自分に気がついた時、どこへ向かうのか。2018/02/10
アッシュ姉
74
面白かったー!!!今回も主役から脇役まで、ぶっ飛んでる面々がド派手に暴れまくり。タフでカッコいい女性刑事にも痺れます。舞台は日本ですが、リアリティーなんぞ知ったことかの激しいドンパチ。いいですねぇ。もうすっかり慣れっこ虜。スピード感溢れる流れに乗って、エンタメと割り切り存分に愉しむ醍醐味。ハラハラドキドキ、そしてスカッとさせてくれる。バイオレンスなのに爽快感が味わえる深町作品。頭空っぽにして、気分転換にはもってこいです。それにしても、深町さんの公式ブログのプロフィール写真が怖すぎます。2015/01/16